魍魅 魎
2015-07-12 10:32:44
1379文字
Public pkmn
 

月と願望 / ズミガン

診断結果から滾って勢いで書いた。
あなたは『「月が綺麗ですね」って冗談で言ってみたら
「確かに。スイートポテトみたいにおいしそう」と返された』
ズミのことを妄想してみてください。 http://t.co/42hyBRYFFw

月が綺麗ですね。」

「そうであるなぁ。ズミ殿に頂いたスイートポテトを思い出す。美味しそうである!」

まさか、こんな変化球が返ってくるとは。
確かに冗談半分で言ったものの、こうも予想とずれた返答をされると、なんだかふつふつと湧き上がる怒りに

「痴れ者が!!」

思わず夜だというのに大きな声を出してしまう。
しゅんと怒られた犬の様に小さくなるガンピさんは、自分の発言に恥ずかしくなったのか次第に耳まで赤くなった。

………死んでもよい……かもしれん。」

視線を合わせず、わたしに聞こえる声でガンピさんが呟いた。

「?どうしたんです急に。」

「な、なんでもないのだ!ささ、夜も遅い急いで帰ろう。」

その日は勢いに誤魔化され確認できないままそれぞれの帰路へつくことになった。

* * * * 

次の日

ドラセナさんに世間話として昨夜の事を話してみると、まあと口元に手を当て、いつも以上にニコニコしだした。

「あらあらあら、ふふふ。分かって無いみたいねぇ。
そうね、確か今日の午後は食事会の予定だったわね。マーシュさんに聞いてみなさいな。」

あの後何度ドラセナさんに聞いても、笑ってマーシュに聞く様促されるだけで答えてもらえず
疑問を募らせながら食事会の準備を進めた。





「二人に、特にマーシュに聞きたいことがあるのですが

食事も一通り済み、落ち着いた頃合で二人に昨夜の事をきりだした。

ガンピさんの言葉を聞いてマーシュは目を見開くと、彼女もドラセナさんと同じくニコニコ微笑みだした。

「ホンマか?そりゃ目出度いやないのー。お赤飯炊かな、お赤飯!」

ニコニコしたまま、わたしの作った事の無い料理の名前を連呼する彼女に驚き、ザクロへ視線を向ける。
彼は優しく微笑みながら、少し困った様に口を開いた

「私から言って良いのか悩みますが、それは恐らく『私は貴方のものです』という返しですよ。
『月が綺麗ですね』と同じく昔の小説家の方が翻訳の際使ったとされる意訳の様なものでーー」



月だ綺麗ですね

ーーあなたをあいしています

死んでもいい

ーーわたしはあなたのものです



「あっ、ズミはん!!どこへ!?」


気付いたら走り出していた。
どうしても今すぐに彼に会いたいと思ったのだ。
二人を放置して来たのは大変申し訳ないが、ザクロとマーシュは許してくれるだろう。
何せ毎度毎度わたしの進展しない関係の相談にのってくれていたのだから。
今のわたしの気持ちも察してくれているに違いない。


確か今日のこの時間は手持ちのポケモンたちの手入れをしているはず――居た!!

リーグ外でギルガルドを磨く後姿を見つけ、速度を緩めることなく走り寄っていく。

「ガンピさんっ」

「なんであるかズーー」

走ってきた勢いのまま、振り返ったガンピさんの唇を奪ったわたしは、次の瞬間地面に背中と後頭部を打ち付けていた。
どうやらガンピさんに盛大に投げ飛ばされたらしい。


「嗚呼っ、すまぬズミ殿!条件反射で

慌てた様子でガンピさんが私の顔を覗き込んでくる。
衝撃で回る世界のなか、なんとか言葉を紡いだ。
視界に入る彼の顔が真っ赤になったので、うまく言葉に出来たようだ。



貴方を愛しています