記憶にある限り、シマエナガという小鳥は盛んに飼い主の周りを飛び回る小柄な鳥だったはずだ。ティカの手元に飛び戻った小鳥は、次の釣り餌が出てくるまで膝の上から動く気配がない。
「ダメじゃないですか、ティカ。欲しがるだけ餌をあげたら」
ケイムヴォルクは小鳥を、引き離して遠くに置いた。食いしん坊の小鳥はそうするとティカの元まで行くために移動する。餌を啄む前にまた捕まえて移動する。
そうやって地道に運動をさせているのだが、小鳥は不満そうだ。そしてなるべく飛んで移動せずに済まそうとする。肥満傾向だ。
「重くなってますよ、二グラムくらい」
「二グラムなんて、誤差じゃないか」
「もともとの大きさが八グラムしかないんですよ」
「そうなのか」
初めて気がついたように、ティカは鳥を捕まえて指先で胴体の辺りをふにふにと弄んだ。
「どうですか?」
「もちもちしている」
「やっぱり太ってるんですよ」
飼い主に揉み込まれている小鳥は心地が良さそうに目を細めている。
「太らせてから、食べるからいいんだ」
「そんなことをいって、トリのこと可愛がっているでしょう」
ケイムヴォルクが撫でようとすると、小鳥はまた遠くにやられてしまうと嫌がって逃げた。これはこれで運動になるかもしれない。
「餌をやらないと、不満そうな顔をするんだ」
「小鳥の顔色がわかるんですか」
「態度でわかる」
「飼い主にそっくりですね」
喋らないし表情もないけれど、態度と動きで何を考えているのかよく伝わってくる。そんなところがティカに似ているし、ティカのチョコボのガーデニアにもそっくりだ。
「私は太ってない」
「ふとってないけど、そっくりですよ」
ご飯を食べられないと拗ねるところも似ているし、考えていることがすぐに動きに出てしまうところもそっくりだ。それにふわふわしているところもよく似ている。
不満げに地面をパタパタと叩いていた尻尾は頭を撫でてやると、ゆるゆると左右に揺れて喜びを表現しだす。
ケイムヴォルクがティカを撫でていると、小鳥が膝に飛び乗ってちゃっかりおやつをさらっていった。
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