望月 鏡翠
2021-11-15 06:23:23
897文字
Public 日課
 

#447 真面目な話

FF14創作/#毎日最低800文字のSSを書く

 マーティンは気がついていなかったが、今回この村を再訪したのは偶然ではない。村長から依頼があったのだ。僻地ということもあり、腕がたつ冒険者が訪れてくれる見込みもない。だから知り合いであるティカたちの元に手紙が届けられたのだ。手紙とて投函するにはけして安全ではない道のりを越えて遠くの街まで行かなくてはならない。それだけ彼らは困り果てていたのだろう。
 過去に訪れて親交を深めた村からの頼み事だ。断るわけがない。
「それで、村長さんはなんと?」
 食卓を囲みながらティカはケイムヴォルクに村長から聞いてきた話を共有した。手紙には村人の手に負えないモンスターが出て困っているとしか書いていなかったのだ。
 モンスター自体は元々この辺りに生息していた種だ。狩人の手を借りて撃退できていた。それが急速に数を増やし、頻繁に村の近くで姿を見られるようになってきた。まだ村人に被害は出ていないし、追い返すこともできているが、死傷者が出るのは時間の問題だ。
 なぜ急にモンスターが姿を表すようになったのか、原因がわからない。繁殖数が増えたのか、惹きつけるものが村にあるのか、それとも元々の生息域から追い立てられて来たのか。わからないままだから、対策の取りようがない。
「調査も含めた依頼になりそうだ」
 ずっとこの村に居られるわけではない。問題が解決ができなければまた同じ事態に直面するだろう。原因さえわかれば、腕の立つ冒険者の派遣をギルドに打診するなどやりようはあるのだ。
「モンスターの突然の凶暴化、ですか」
「うん、前来たときから周囲の環境が大きく変わっているようには見えなかったですし、道中に遭遇したモンスターも特に変わった様子はなかった。可能性の一つとして気にはかけるが、より可能性が高いのは上位種の存在だと思う」
「群れを引き連れている、ということですね」
 生き延びた時間の長さや突然変異によって、知恵や強い能力を身につけたモンスターが現れることがある。こうした個体は、同種の下位個体を従えていることがあり討伐の難易度は当然跳ね上がる。
 依頼に備え、二人は食事を終えると早々に床についた。