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サニーサイドアップ
事後メシ望普(甘口編)。現パロ学生同棲望普。
コーヒーの香りで目を覚ました。
先に起きたほうがコーヒーを淹れる約束になっているから、今日も望のコーヒーだ。もっとも、普賢がコーヒーを淹れるのは月に1回あるかないか。「望ちゃんのコーヒーのほうがおいしいね」と言った日から、普賢より後に望が起きることはほとんどない。
パジャマの上にパーカーを羽織ってキッチンへ行くと、ケトルを片手にトースターを覗き込む望がいた。
「望ちゃん、おはよう」
おう、と望は目を逸らさないまま返事をする。ガラス越しのトーストは2枚。軽く色づいているのが見える。
「目玉焼き? オムレツ?」
「目玉。半熟がいい」
答えてから、マグカップを棚から二つ取り出す。柄も大きさもバラバラ。それぞれが気に入ったものを持ち寄ったからだが、お揃いじゃないところが普賢は少し気に入っている。
「ミルクいるなら温めておけ」
コーヒーが入る頃あいを見計らって、望が声をかける。自分のマグカップに半分ぐらい牛乳を注いでレンジで20秒。ほんのり湯気が立つところにコーヒーを注いでもらう。
そうこうしているうちにトースターが焼き上がりを知らせた。皿を2枚用意してパンを取り出し、ガスコンロの前にいる望のところに向かう。フライパンには目玉焼き。望が、2つくっついた目玉焼きをフライ返しで器用に半分に切る。一つずつ、焼き立てのトーストに乗せると、それだけで立派な朝ごはんの出来上がりだ。
いただきます。
狭い食卓で向かい合って目玉焼きトーストを口に運ぶ。とろけた黄身がトーストのバターとまじり合う、これが最近の二人のお気に入りだった。
「目玉焼きって最初に名付けた人ってさ」
皿の上のトーストをまじまじと見ながら、普賢が言う。
「二人で暮らしてたんじゃないかな」
「なんで」
「だって、卵1つ分じゃ目に見えないから」
望がブラックコーヒーを口に含みながら首を傾げた。
「きっと、すごく仲がよかったんだよ」
「そうかのう」
よくわからない、というように考えるそぶりをしていた望だったが、やがてコーヒーのおかわりを注ぎ足しながら、ふと目くばせをする。
「
……
わしらのように?」
しばらく無言で見つめ合う。普賢がさっと頬を赤らめた。
「
……
そうだね」
さて、コーヒーもう1杯飲んだら行く時間。今日の授業は遅刻しちゃダメなやつだ。今日が休日ならよかったのに。そう思いながら普賢はカフェオレを飲み干した。
了
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