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鳴かない鳥(未完)

玉乙普サンピ(未完)

その酒は痺れるほど甘く、口当たりの良さとは裏腹に、簡単に酩酊に落ちると噂に聞いたことがあった。とろりとした琥珀色の液体を片口から杯へと注ぎ、玉鼎は目の前の同僚に差し出す。一瞬だけ渋い顔をした後、太乙はそれを受け取った。
「珍しいね、きみから声をかけるなんて」
「まあな」自分の杯にも同じものを注ぎ、端から零れたものを舌で舐めてから「お前にひとつ相談があって」と声を潜めた。
「相談?」
「普賢のことだが」
胸の奥がざわついたのは本能がその先を拒んだからかもしれない。だが「お前にとっても悪い話じゃない」と言われ、好奇心が話の続きを欲した。
軽く口の端を上げ、玉鼎はまるで昨日の天気の話でもするような気安さで言った。
「普賢はお前に抱かれるときも、ひと言も声を出さないか」
取り落としそうになった杯をいったん卓に置く。
「それは……どういう」
喉の奥で笑って、玉鼎は酒をひと息に呷った。
「隠すことでもないだろう。お前が普賢とそういう仲だというのはみんな知っている。言わないだけで」
だから、それがきみにどういう、」
「実は」
新たに酒を注ごうと、片口に手を伸ばす。
「お前とどうこうなる前に、私も普賢を抱いたことがあって」

玉鼎は顎の下で両手を組み、太乙を上目遣いで見上げた。
「そのときに不思議に思っていたのだが、あの子は決して声を出さない――どんなに手ひどくしても、優しくしても、拒みはしないが喘ぎ声一つ上げない」
だからお前とはどうなんだろうかと。
そんなこと、きみに話すつもりはない」
動揺を押し殺した太乙に、そう言うと思っていたと笑って、玉鼎は身を乗り出した。
「要するに、お前も聞いたことがないのだろう――普賢を鳴かせてみないか、二人で」
否応なく引きずり込む力をもって太乙の耳に届く。
「きっとあの子の喘ぎ声は、脳髄を痺れさせるくらい官能的だ」