悪魔退治をして、慣れ始めた疲労感に包まれる。正面から悪魔を切りつけたせいで、身体中が相手の血だらけだった。抱えていたポチタを下ろしてから、前髪からも滴ってくる血を腕で拭った。
血に濡れた砂利の中で、丸く光を放つ物があることに気がつく。
「なんだろうな、ポチタ」
「わふ?」
二人で首を傾げて、砂利の中を覗きこんだ。崩れて被さってくる臓物をかき分けて、見失いかけながらも、指先で拾い上げる。タンクトップの裾で汚れを拭って、それの正体を確かめた。
「ビー玉だ」
二本の指先で摘まんで掲げて、日の光に透かして見る。透明なガラス玉は傷が入っていて、それでも割れや欠けはない。中には赤い筋が何本か、緩い螺旋を描いて絡み合っていた。
「ポチタ、ビー玉だ。綺麗だな」
屈んで、こちらを見上げてくるポチタにも見せてやる。ポチタは尻尾を振って、同意するみたいに「わん!」と鳴いた。
「これは食べらんないんだ。だけど、これに似たので、飴玉ってのがあって……いつかポチタと食ってみたいな」
ビー玉を見ていて、ふと思い出した食べ物を言葉にして、それを夢にする。
ポチタはそれを話す俺のほうをジッと見ていた。
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