暗闇の中、大きめの液晶画面だけが青白い光を放っている。それに照らされている少年の顔が薄ら白く見えて、伊地知は少しだけ背筋が凍った。
伊地知が恐る恐る覗いたのは、地下にある一室で。そこには生存を隠された少年が匿われている。時間は深夜を廻り、日を跨いでいた。
「虎杖くん、起きていたんですね」
「おわっ! 伊地知さんっ、じゃん」
名前を呼ばれた彼は、伊地知の存在に声をかけられてから気づき、懐に抱えた人形に殴られかかって言葉が途切れた。しかし、殴られるまではいかずに済んでいる。
上達が早い、と五条は伊地知に話していたが、担任の欲目というわけではなかったらしい。そもそも五条悟という男は、そういう『力』に関することにはシビアな一面を持っている。彼がそう言ったのなら『そう』なのだ。
「もう0時を回ってますよ。そろそろ寝たほうがいいかと」
「うぇ!? マジだ!」
リモコンを操作して、映像の再生を停止させた彼は、壁に掛かった時計を見上げてギョッとした顔をした。そして、DVDが入っていたパッケージを眺めて「うわぁ…」と声をあげる。
「この映画、めっちゃ長いやつだったわ。終わるまでって思ってたけど……これはさすがに明日に回そ」
座っている彼に近づいて、横から見る。……確かにこれは気合がいる再生時間だ。
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