ヨジ🔞
2023-08-17 02:08:40
1200文字
Public jjba
 

【徐プチ】Playback Booklet

※緑色の赤ん坊との融合失敗if
※Dom/Subユニバース
※『Playback DISC』のエピローグ。本編の重大なネタバレを含むため、読後推奨

Eternity

 わたしは気絶した徐倫を素早く抱きとめ、そっと壁にもたれさせた。
 このために、別れの日時を知る必要があった。
 スタンドを「ほとんど」使えないため、準備には時間を要した。「三分間眠る」という簡単な命令を書き込んだDISCを用意するのに、数ヶ月もかかってしまった。その上、徐倫に悟られて警戒されるわけにはいかなかったから、表向きはスタンドが「全く」使えないフリをしなければならなかった。
 だがこのフリも、すぐに嘘ではなくなる。今がホワイトスネイクの最後の時であると、わたしには自ずとわかるのだ。
 さて、この三分で、最後の仕事をやり遂げなければならない。
 徐倫の、わたしに関する一年間の記憶を、すべて抜き取る。
 頭に手をかざすと、DISCが徐々に姿を表す。昔とは違って、そのスピードは気が遠くなるほど遅い。
 Stay、か。
 覚悟しろと言ったのに……別れが避けられないことを知ってなお、この私を気にかけるなど。
 徐倫。ほんの一時、わたしの主人だった小娘。
 勝手にドアを開けてズカズカ踏み込んできた挙句、最後には振り返ることなく同じドアを出ていくのだ。
 もう二度と、わたしたちの人生が交わることはない。ある一瞬関係を持っていたことも忘れて、彼女は生きていく。
 なんらおかしなことはない。事物があるべき場所へ還る。それだけだ。
 わたしは。
 ――この檻の中で、手元の星を眺めて余生を過ごすのだろう。
 財団にダイナミクスを明かすつもりなど毛頭ない。徐倫が扉の向こうに姿を消した途端Subdropに陥るとしても、わたしは一人でそれを耐えるだけだ。あのとき彼女が戻ってこなかったら辿るはずだった運命へと修正されるのみ。
 一つだけ違うのは、この一年に「見返り」があることだ。
 いつの間にかDISCは手の中にあった。記憶は魂の一片。硬く無機質な永遠が、今ここに。
 そろそろ徐倫が目覚める頃合いだ。
 DISCを胸のポケットにしまい、わたしは彼女の手をとって、その甲に口づけた。
「さようなら、空条徐倫」

Oblivion

 あたしはドアを背に立ち尽くしていた。
 ……なにしてたんだっけ、あたし。
 ここは、たしか……プッチ神父の軟禁場所だ。そうだ、監視に来ていて――彼はもはやスタンドを使えないことを確かめた。
 完全な再起不能状態。ホワイトスネイクは自然消滅して、脅威は去ったのだった。
 ということはもう、あたしはここに来なくて良いのだろう。
 水族館での激闘を経て、ようやく以前の日常が戻ってきたのだ。しかも、より良い形で。父さんと心が通じあって、ジョースターの因縁に終止符を打って、共に苦難を乗り越えた友達がいて。
 それに――
 目の上に手をかざして、空高くにある太陽を仰ぐ。
 帰ろう。きっと、いつものあの場所で、アナスイがあたしを待っている。