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Mizuka
2021-07-04 02:39:25
4735文字
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まこふあwithお酒
※if未来パロ(?)
・マコトくん→専門学生 風愛→社会人(タレント)
・2人共成人済み
・同棲してる
・1話目はモブ女視点
細かいこと気にせず単に酔ったらまこふあどうなるの〜!キャッのテンションで書いたやつ
[マコト編]
「それでネェ〜担当したご遺体がも〜お腹ちぎれてて腸とかももごごご
…
」
「お前やめろよマジで!食事中だっつの!!!」
「アハハ
……
」
前の席であんまりよろしくない酔い方をして口を塞がれたのは同じ専門に通う狗飼マコトくん。少し変わってるけど、いつも明るくて優しいんだ。狗飼くんが来るって言うから、あんまりキャラじゃない飲み会にも参加したんだけど
……
「コイツの迎えまだ?」
「すぐ向かうって言ってたけど
…
アタタタ噛むなバカ!」
お迎えって誰だろう
…
ご兄弟とかかな?まぁ
…
そもそも狗飼くんが実家暮らしなのか、一人暮らしなのかも知らないんだけど。
ちびちび得意でもないお酒を飲みながら騒ぐ男子を眺めていると、のれんがかかった仕切りを控えめにノックする音がした。
「だ、誰か来たみたい、だよ
……
」
しかし、騒がしい空間には私の小さい声もノック音も溶けて散ってしまったようで、誰も耳を傾ける様子はない。
「わ、私出るね
……
」
誰に届くでもないと思いつつも一応宣言してから席を立ち、のれんをサッとめくる。するとそこには黒いキャップを被った小柄な女性が立っていた。
「あっ、あの、すみません、マコトくん
…
狗飼マコトくんの、お迎えに
…
参りまして
……
」
マスクをしててもハッキリ自分との違いが分かるくらいの小顔。長いまつ毛に縁取られた大きな目。どこかで聞いた気もする、囀るような可愛らしい声。
どうあがいても勝てないような女性の登場に、しばし呆然と立ち尽くしてしまった。しかもこの人、「マコトくん」って
……
いやいや、まだ彼女と決まったわけじゃ。親戚の人とかかもしれないじゃない。
「あ、あの
…
?」
「わ、す、すみません!えっと、すぐ呼びますね
…
!い、狗飼くーん!お迎え来たみたいだよ
…
!」
私が半個室の空間に呼びかけると、女性も覗き込むように少し身を乗り出し、「マコトくーん
…
」と呼ぶ。すると男子達とじゃれ合っていた(羽交い締めにされていたとも言う)狗飼くんはパッと嬉しそうに顔を上げてこちらに向かってきた。
「あ〜!」
「は、え、」
ずんずんとこちらに赤い顔で歩み寄ってくる狗飼くん。今にも抱きつかんばかりに大きく手を広げている。待って、何、心の準備が
…
!
「ふあ〜!なんでいるの〜!?ンフフ〜ふあふあ〜〜〜」
私の隣の女性をひょいと抱き上げてニコニコで頬ずりしている。そりゃそうだ。知ってました。
「きゃっ!?もう、マコトくんってば
…
飲みすぎちゃダメって言ったじゃないですか
…
!」
「ふあもこっちおいで〜唐揚げ美味しいヨ〜!」
「え?いえ、タクシー呼んであるので帰り
…
ちょ、ちょっとマコトくんっ、靴、私靴履いたまま
…
!」
抱き上げられたままの女性が慌てて脱いで手に持ったサンダルを、黙って受け取る。すると彼女は申し訳なさそうに頭を下げながら連行されていった。
「あれっ連れて来ちゃったの?」
「とりあえず離してやれって、ぬいぐるみじゃねーんだから。」
「す、すみません
…
お邪魔します
……
ま、マコトくん、帰りますよ
…
!ほら
…
!」
「ん〜ふあカワイイ〜ほっぺふわふわだネ〜食べちゃお!」
何やらペットが可愛すぎる飼い主みたいなことを言い出したかと思うと、狗飼くんはおもむろに女性のマスクをぐいと下げて、頬にキスをした。いや、その行為自体も私的にショックではあったけど、何より注目すべきはそのマスクの下の
……
「あ、藍浦風愛ちゃん
…
!?」
そりゃあ聞き覚えのある声のはずだ、高校の時毎朝3年間、彼女の天気予報を見てから登校していたんだから!なんですぐに気が付かなかったのだろう。
「ハ!?いや、風愛って確かに
……
」
「ヤバっ本物じゃん!てか、なんで狗飼と!?」
「は、はわわわわ
……
」
ご機嫌に泥酔している狗飼くんを除き、一気に場は騒然とした。真っ青になった彼女
…
いや、ふあちゃんはひどく焦った様子で、依然として自身をホールドしたままの狗飼くんの袖口をぐいぐいと引っ張っている。
「まっ
…
マコトくん!あの、帰ったら
………………
って
……
していいですから
…
!早く帰りましょう!おねがい
…
!」
あわあわとマスクを上げながらふあちゃんが何か耳打ちしたかと思うと、あれだけ言うことを聞かなかった狗飼くんは突然ガバッ!と立ち上がり、またずんずんと部屋を出ていこうとする。
「えっ、オイオイマコト!説明してけって!」
「そーだよ狗飼!」
「ごめんネ!僕ちょっと急いで帰らなきゃだから!じゃね!!!」
「す、すみません、他言無用でっ!失礼しますっ!ま、マコトくん靴!靴履いて!」
抱えられたままバタバタするふあちゃんにほとんど無心で靴を差し出すと、またぺこぺこ頭を下げていた。ずーっとテレビの向こう側だと思ってた人が、私なんかにサンダルを拾われて頭を下げて
……
変な気分。
2人がいなくなった後の部屋は、皆ぽかんとしており、しばらく静まり返っていたが、やがて
……
「ねぇ!マジもんだったよね!?ふあふあ!」
「あれふあちゃんと付き合ってるってこと!?マコトが!?
…
いやなんでアイツなんだよ!」
「何ギレ?w」
「つかこれスキャンダルじゃね!?アレじゃん!熱愛発覚!ってやつ!」
「
……
はぁ
……
」
皆が思いのほか身近だった芸能人の存在と、クラスメイトの関係性の噂に興じる中、私は1人失恋のため息を吐いてグラスの中身を一気に煽った。
……
後に私の靴の振る舞いを見てた別の男子に気遣いを褒められてから仲良くなり、付き合うことになるけど
……
それはまた別の話。
[風愛編]
「た、ただいま〜
……
」
恐る恐る玄関を開ける。リビングの電気が付いており、そこから不機嫌な猫が鳴いてるみたいな声が小さく聞こえてくる。
「
…
ふあ〜?
……
」
「
…
!ふぐぅう
……
」
予想通りチューハイの缶を持って赤い顔をしたふあが、涙目でこちらに向かって唸っている。別に威嚇してるわけではない。これは
……
「ふえぇっ
…
マコトくんの
…
ばかぁー!!!」
「ご、ごめんヨ〜!」
大泣きの前振りなのである。
こうなったのにも一応訳があって、最近学校、バイト先、高校の時の同級生なんかと飲み会がたまたま重なってたて続いていたのだ。そこには当然女子もいて、ただえさえ不安になりやすいふあが、酔って電話中の僕のスマホを奪って勝手に喋り始めた女友達に不信感を抱いたのは当然だった。その後めちゃくちゃちゃんと説明の上何もないと弁解しLINEの連絡先まで消して見せたが、別にそういうことをして欲しかったわけじゃなかったらしくふあの表情は曇ったままだった。
その辺り他諸々の感情が爆発して、『マコトくんがそんな毎日みたいにお酒飲みに行くなら、私も飲んじゃうんですから!』と電話で宣言していた通り、しこたまお酒を飲んだらしい。チューハイの空き缶が二つ三つとテーブルに転がっている。
「ごめんネ〜ホラッ早めに帰ってきたから
……
」
「っひぐ
…
うぅ〜
…
おそいもん
……
」
ぎゅう〜っとこちらに強く抱き着くふあを抱き返し、頭を撫でると、すんすん鼻を鳴らしながらもっと!と言わんばかりにぐりぐり手に頭を押し付け甘えてきた。
ソファに移動し、大きい幼児のようになっているふあを膝に乗せてせがまれるままに甘やかす。いつもは僕の方が子供っぽいから、この時間は少し新鮮だ。
ぽろぽろぽろぽろ涙を流し続ける青い目を、1日ポケットに入れっぱでくしゃくしゃになったハンカチで拭う。袖よりはマシ!
「そんなに泣いたらおめめ溶けちゃうヨ?」
「
…
むぅうー
…
とまんない
…
ひっく
…
ちゅーして
……
」
意地悪を言ったつもりはなかったんだけど、また一層ぽろぽろぽろ。僕はモーお姫様に言われるがまま、顔中にちゅっちゅとキスをしてご機嫌を伺う。ちなみにそのままほっぺを舐めたらビミョーにヤな顔された。ウーン、しょっぱい。
「お水持ってこよっか?ふあこのままだと脱水症状になりそうだもんね。」
そう言って体勢を変えて立ち上がろうとした途端、ぐいと強く腕を引かれて姿勢を崩した。
「ふ、ふあ?」
「ひぐっ
…
やだ、いっちゃや
…
!いかないで
…
いいこにするから
……
」
そんなことを言われては堪らない。パーカーの胸元が濡れるのも構わず、押しつぶさんばかりの勢いで思いっきり抱きしめて、そのまま2人してソファに倒れ込んだ。
「ふあがヤならどこも行かないよ。」
「
…
ほんと
…
?」
「ホント!」
それを聞いたふあはひどく安堵したような表情で少し笑って、そのあとは僕の胸に頬を擦り付けながら、頭を撫でられる感覚に黙って身を委ねているようだった。
そのまま二人して眠り込んでしまって、気付いたら朝だった。窮屈な場所で変な姿勢で寝たから、体がバキバキだ。
シャワーを浴びて少し寝直そうかとでも考えていると、ふあもふにゃふにゃ言いながら起き出した。
「んぅ
……
」
「起きた?オハヨ。」
寝ぼけ眼でゆっくり何度かまばたきした後に、昨夜のことを思い出したのか恥ずかしそうに小声で「おはようございます
…
」と返してきた。ふあはどれだけ酔っても記憶が残るタイプらしい。
「だいじょぶ?今日お仕事は?」
「はい
…
えっと、終日オフです
……
」
「じゃあゆっくりできるネ!」
お風呂一緒に入ろっかー、などと休日のプランを提案していると、きゅ、と弱々しく手を握られた。
「あの
…
ごめんなさい、私、昨日
……
」
「エ!そんな謝んないで、僕も悪かったし
…
あ〜泣かないで〜!」
「
…
泣き虫でごめんなさい
…
嫌いにならないで
……
」
「ならないヨ!ふあ好き!大好き!」
薄っぺらいかなとも思ったけど、ちゃんと本心だ。
「だいじょぶだよ、酔って甘えたなふあもカワイイもんネッ!」
「
…
私のワガママでマコトくんのこと、縛ったりしたくないんです
……
だから、ご飯行くのも、お友達と出かけるのも、私のこと、気にしないで欲しい
…
マコトくんが楽しいなら、それでいい
……
」
自分に言い聞かせるような口調で話すふあの言葉を、どこか不思議な気持ちで聞いていた。この子はどうしてこんなに、人を真っ直ぐ慕えるんだろう。好意なんて大抵、シタゴコロがあって当たり前なのに。
「でも、でもっ
…
そのはずなのに、私
…
マコトくんの1番は、私じゃないとイヤって、思っちゃう
…
ごめんなさい
…
欲張りで
……
」
「ふあは欲張りなんかじゃないヨ。」
涙を拭うついでに顔をこちらに向けさせると、水の膜が貼った目がきらきらと僕を映しているのが分かる。
「むしろ、もっと欲張ってもいいと思う!僕なんて、ふあのナカをぜーんぶ暴いて僕のものにしちゃいたいくらいなのに
……
」
「
…
!」
かあっとふあの顔が赤くなった。意図していない反応に一瞬首を傾げたが、すぐに先程の自分の発言がよろしくなかったことに気づく。
「アッ!違うヨ!えと、比喩表現!比喩表現!!そんな朝からオジサンみたいなこと言わないって!!!」
「そそそそうですよね!ご、ごめんなさい私ってば
…
!」
2人してひとしきりワーワーしていたが、少しして黙り込んだふあがそっとこちらの耳元に顔を寄せてきて、言った。
「
…
私は
…
そういう意味でも、良かったん、ですけど
……
」
そのまま首元に顔を埋めたふあを抱いたまま、がばっ!と勢いよく立ち上がると驚いたらしく小さく悲鳴が上がった。困惑している様子のふあの耳元で、僕も負けじと囁く。
「お風呂入ろ、一緒に。
…
ネ?」
「
…
!はい
……
」
そうして不健全に過ごした休日の後は、ふあは元の晴れやかな表情に戻っていたのだった。
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