ディルクルでクルウ性転換ネタ

普段オスラッテだけど、クルウが幻想して一時的に身体がメスッテになってるので注意。

「起きたら胸が重かった。」
 と、あっけらかんと言い放ったクルウの姿はいつもより遥かに小さく、腰も細く、胸にはたわわに実る二つの塊がポンポンと揺れて主張していた。

 現在の彼、いや彼女の状態はどうも目が覚めたら原因不明の身体変化をしていたらしい。
「なんかたまに?こういう状況があるらしいんだよな。確か昔錬金術師ギルドで修行してた時にマスターから聞いたことあるわ。俺みたく性別変わるだけならまだしも、種族も変わったり。あとは治る期間もまちまちで、そもそも治るかも分からんと。」
 とりあえずとメンズサイズでぶかぶかのTシャツを羽織ってキッチンで朝食の準備をしていたクルウが、トーストを2枚皿にのせてからペタペタとダイニングにやってくる。その説明に頭を抱えつつ、「いや、もっと危機感をだな。」とディルは独りごちた。ひとまず、ディルがクルウにしばらくは家から出ないようにと言うと「まあ、服とか詰めないとだし、武器も鎧も作り直しだからそれ終わるまでは出ないさ。」とすぐに朝食を食べ終えてから製作部屋に籠っていった。

 数日後、新品の装備を着た小さなクルウは嬉しそうに外に出ていた。なんでも小回りが利くとか、身体が動かしやすいとか言っていたような気がするが、反面筋力は落ちているようで武器に慣れるまで少々手こずっていた。普段着もサイズが動きやすいように小さくなっていたが、それだけでは目に毒だと胸当てを付けろとディルは言っておいた。クルウは面倒だと少し不満そうにしていたが、とりあえず付けてはくれた。
 最初は何があったのかと周りが驚いていたり、可愛いとちやほやされていたが、まあ暫く経てば人は慣れるものですっかりお馴染みになっていた。しかしそれに伴って、段々と2人の距離が離れつつあった。というより、ディルがクルウを避けつつあった。
「なあ、どうゆうつもりなんだよ!」
 ある夜にクルウがディルに詰め寄った。普段は2人で寝ていたベッドも、最近はディルが客間の和室に布団を敷いて寝る状態になっていた。
「俺、何かしたのか?何か悪い事があったなら言ってほしいんだが。」
「いや、待て。そうゆう訳じゃないんだ。」
「じゃあ何で露骨にこっち来ないんだよ!?」
「あのな、状況を考えてくれ。流石に俺だって女性に対してベタベタしたりとかしないし、ましてや一緒に寝たりとかも。」
 次の瞬間、クルウは手元にあったクッションを乱暴に掴んでディルに投げつけた。それを顔にダイレクトに受けつつ、ディルは何事もなかったかのように話を続ける。
「別にお前が悪いとかじゃないからな。俺がこう、防衛線張ってるというか。」
「そうゆうの、いらないから。」
 クルウは俯いて、ふるふると震えていた。そんなクルウに対してディルは手を伸ばそうとするが、すぐにパシンと叩かれる。
「分かってる、一般的に見たらある程度の距離が必要なんだって分かるよ。でもさ、人前ならまだしも、なんで家の中でまで避けられなきゃいけないのさ。」
それは。」
「こんな身体になった理由、俺はなんとなく分かる気がする。多分、何か、形を成したいと思ったんだ。お前との関係で。」
「形。」
「男同士でいくら身体を重ねたところで、子は出来ない。でも、最近ずっと思ってたんだ。いつか、いつかお前とちゃんと家庭を作れたらどうなるかなって。そんな夢でも見てたからかな、きっと俺の願望が、どこかの神様にでも届いたんだろうな。」
 そこまで言ってから、クルウはポロポロと雫を零して泣き始めた。
「なあ、お前は、こどもほしいとか思ったことあるのか?もしあるなら、俺と!」
 ディルはその言葉をふさぐように静かにクルウの唇に自身の唇を重ねた。そのまま腕をクルウの背に回して引き寄せて抱き寄せると、柔らかな胸の感触とトクトクと鼓動が伝わる。暫くしてから唇を離すと、目を見開いたクルウがディルを見上げた。
「なっ。」
「男女の仲との間には子を成さないといけないとか、誰かに言われたわけじゃないだろう?俺はそうゆうの気にしないさ。というか、そこまで考えてくれてたんだな。」
 そう言ってからディルはクルウの白い耳をゆるゆると摘まんで撫でる。恥ずかしそうに目を瞑ってピクピクと震えるクルウの様子に、ディルは満足気に目を細めた。
「でも、子を成すってことはそれだけお前に負担がかかる。そもそもいつか戻るかもしれないんだろう?そんな不安定な状態でやれるかよ。俺は、お前の事もっと大事にしたい。」
「お前、そうゆう事言うなら、もうちょっと普段から手加減してくれないか?」
「んー、普段からってなんだ?」
「このっ、とぼけて誤魔化すなこの変態!」
 怒ってバタバタと暴れて抜け出そうとするクルウだったが、ディルはケラケラと笑いながら抱きしめ抑えてしまった。そのまま久しぶりに2人のベッドに連れていき、ブツブツと文句を言っていたクルウをあっという間に寝かしつけてしまった。
「まあ、全くその気がないと言ったら嘘にはなるが、流石にな?」
 さらさらと柔らかな耳や髪を撫でつつ、ディルも傍で眠りについた。

「いっ、た!痛い、きついこれ!あれか、服か!くっそ、こうなったら引き千切ってやる!」
 次の日、いつもの姿に戻ったクルウは自分が作った服に殺される!と朝から大騒ぎしていた。彼の救出を手伝ったディルはクルウをまじまじと見つめて、やっぱりいつものが調子出るわとふわふわと白い尻尾を掴んで一発叩かれていた。