倉木
2023-12-17 16:08:57
1936文字
Public Rot
 

LD

Rot亀。ほんのちょっとだけ背後注意

「う、わ!」

後ろから飛びつかれ衝撃は到底支えられるわけもなく、そのまま床に倒れこんだ。
固い衝撃に痛みを覚え、起き上がろうとするとそのまま覆いかぶさってきた相手が腕を掴んで押さえつける。

「っレオ!ふざけるのもいい加減にしろ!」

両手首を片手で掴まれ、一瞬でとられたマウント体制にかっとなり声を荒げた。

「ご名答!」

真上から聞こえるレオナルドの笑い声が至極満足そうで、それすら腹が立った。

「だってこうでもしないと触らせてくれないじゃん」

背後から拘束する体制で唯一開いた手が唐突に背を撫ぜて、ぞわりとした感覚に漏れそうになった声を抑える。
最近レオナルドはドナテロの甲羅が気になってしょうがないらしい。

「いつだって触らせるつもりないんだよ!」

他の兄弟とはまた違った性質を持つドナテロのそれは昔から知られていることで、納得はしていないが何かと揶揄われる対象にすらなっているほど。
だが最近の執着はちょっと異常な程だった。
基本的に家の中でも装着している背中の防具は、もはや当たり前になっていて家の中でも基本的外すことはない。
それでも融合してるわけでもないしメンテナンスもするからずっと、というわけではなく、そんな数少ない機会を狙われたのはここ1カ月で4回目。
過去3回は未遂でどうにかしていたけれど、少し期間が開いていたから油断していた。

「ちょっとだけだって、別にセックスしよってわけじゃないんだから、さ!」

突如、上からの負荷が強くなりかろうじて保っていた膝が崩れ落ちる。
地面に完全に張り付けられればいよいよ標本になった気分で最悪だ。
背格好なんてそう変わらないくせに覆われる感覚も、上から掴まれた腕も大きく感じてしまう錯覚に囚われてしまいそうになる。

……ひっ!れ、レオやめろって!」

ようやく理想の環境が整ったのか、するりと甲羅を撫でられ琴線を直接なぞられているような感覚に息を詰めた。
静止の言葉を聞かず指一本で撫でたかと思えば、弾力のある感触を掌でわし掴む。
予測のできないその所作に先ほどの言葉の通り性的なものは感じられず、レオナルドがただ楽しんでいるだけであろうことがよくわかった。
それはそれで玩具の扱いをされていることも嫌なのだが、しかしドナテロは別の湧き上がってくる熱にそれどころじゃなかった。

………ふ、ぁ」

恐らく気付いていないだろうが、レオナルドは前から情事中背を撫ぜる癖があったのだ。
だから最近の襲撃は欲求不満なのかと当初は思っていたけれど、そうじゃないとわかると勝手に反応してしまってちょっと期待してしまった自分に気付き恥ずかしい思いをしたのはドナテロの方だった。
ただでさえ兄弟と比べて弱く脆い部分は敏感になってしまうのに、触れられているのがレオナルドだというだけで燻る熱が思い出されて意思と反して息が上がる。

やっぱドナのココ、すっごく好き」

キモチイイ、と耳元で聞こえる吐息も熱い。
小さく震えるドナテロに気付いているのか否か、触れるかどうかの繊細さで辿った手が戯れに尾を掠めた時、もう限界だった。
思い切り頭を振り上げるとガツンと大きな音がして重たい身体が吹っ飛ぶ。
合わせて後頭部に痛みが走って頭を抱えてしばらく呻いていた。

「何すんだよ!」

涙目のレオナルドが怒鳴ってくるが、負けず劣らずドナテロだって涙目だ。
お互い様同士のみっともなさったら。

「お前が変に触るからだろ!」

いたたまれなくて、早く逃げようと飛び出そうとして。
立ち上がろうとしたところで、すとんと地面に逆戻り。

………えーと、ごめん?」

「~~~っ!」

困惑した声に恥ずかしさといたたまれなさで言葉が出てこない。
勝手に反応して、勝手に期待した身体に今度こそい涙が出てくる。
こんな身体も、感情も、いつだって振り回されてばかりだ。
ふと影が落ち、覗き込まれたのでさっと顔を逸らしたが俊敏に周りこまれる。
そんな攻防を数度、諦めて目を合わせれば心底嬉しそうに笑われた。

「それで、この後どーする?」

そう言う声色は先ほどの暴君とは打って変わって優しいものだった。
なんだよ、元々の原因はレオナルドだっていうのに、あやすような態度。
思った通りの解答をするのが悔しくて無言で手を伸ばせば、小さく笑った彼がそのまま抱き上げてくれた。
同じような体躯のくせにふらつく様子もない。
ほだされないと決めていたのに腕の中が居心地よくて、向かう先が彼の寝室であることに反論する気すら失せていく。
蟠った熱を放出するだけなんだと自分に納得させて、ドナテロはその肩に身を預けることにした。