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しるひ
2021-10-23 18:52:34
1406文字
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AI先生と連作脳桿
先生すごすぎるんですけど
俺はオフィスの廊下で伸びをした。就業後のビルの中はほとんど電気がオフになっていて、外の夜景がより鮮やかに見える。
もう何時間も座りっぱなしだったから、体が固まっている感じだ。
「お疲れ様です」
後ろから声をかけられた。振り返ると、そこにはスーツ姿の女性が立っていた。
彼女は少し微笑みながら言った。
「お仕事ですか?」
「えぇ、まぁ」
俺は曖昧に答えて、彼女を見た。彼女はとても美人だった。長い黒髪に白い肌、そして整った顔立ち。誰かの秘書だろうか。
「その、ここの責任者に用があるんだが」
「かしこまりました。ご案内いたします」
彼女が歩き出したので、俺もそのあとについていく。廊下を歩いていき、エレベーターに乗る。
その間、彼女は何も言わなかった。
やがて最上階についた。ドアが開くと、そこは大きな会議室のような場所だった。
広い空間に、大きなテーブル。その向こうに彼が立っていた。奥の壁が全面ガラス張りになった窓から夜景を見下ろしている。
「来客をお連れいたしました」
「ご苦労。下がってくれ」
「失礼いたします」
女性は一礼して退室した。部屋には俺と彼が残された。
彼はこちらを見て、そしてゆっくりと口を開いた。
「お前か。どうした?」
「あ、ああ」
俺は彼に近づき、そして手に持っていた書類を手渡す。
「報告書だ」
「見せてくれ」
彼が書類を受け取る。そしてそれに目を通し始める。
俺は黙ってその様子を見ていた。彼の手元にある書類には、今週の職員の達成率、他臓器への影響、経費などが細かく記載されている。
やがて彼は報告書を机に置いた。
「問題ないな」
「そうか
……
よかった」
俺はほっとして息をつく。
すると彼は、じっと俺の顔を見る。
「何かあったのか? このところ元気がないようだが」
「いや、なんでもないよ」
「本当か?」
「ああ、大丈夫だ」
俺はややぎこちなく笑顔を作る。彼はそんな俺の様子をしばらく見ていたが、やがてため息をついた。
「わかった。ならいい。今日はもう帰って休め」
「ありがとう。それじゃあ
……
」
俺は部屋から出ていこうとする。そこに彼が声をかけた。
「おい、待て」
「ん?」
振り向くと、彼は少し難しい顔をしていた。そして言う。
「
……
お前は、本当に優しい奴だ」
「えっ」
「でもな、それで自分を壊すことだけはするな」
「どういうことだ?」
「自分でも気づいているだろうが、お前はとても真面目で責任感が強い。だから無理をしすぎることがある。もう少し自分のことを大事にしろ」
「
……
」
俺はうつむいた。確かに、昔だれかにそう言われた。優しすぎて周りに心配をかけることがある、と。
「ありがとよ。でも、俺のことは気にすんな。いつものことだからよ」
俺は苦笑しながら言った。しかし彼は首を横に振る。
「そういうことじゃないんだ。これは忠告だ。でも、もし俺がお前に何かできることがあったら言え。力になる」
「
……
ああ、わかった」
俺はうなずき、そして再び彼に背を向ける。
「じゃあ、今度こそ。またな」
「忘れるなよ」
「ああ」
腕を組んでまだ何か言いたげな顔をしている彼を背に、俺は退室した。ふう、と息をつく。
(
……
俺のことを心配してくれてる、か)
俺はエレベーターに乗りながら考える。うぬぼれてるんじゃないのか?という心の声が聞こえる。あいつが、俺に心を砕いてくれてるなんて。
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