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yn
2022-04-01 08:18:28
977文字
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数え遊び-新刊の拳コユご夫婦短編集サンプル-
5月で出す予定の「結婚済みの拳コユが新横浜でイチャイチャワチャワチャする短編集」のおためしです。
こんな感じの話とか、下ネタとかアホな話とかちょっぴりシリアスとかちょっぴりエロいのとか、短いのを詰め詰め予定。
※一、二本、プライベッターから再録する予定です
吸血鬼の本能、習性の一つに数え癖がある。
豆や米、小さいものがたくさん寄り集まっているとどうにも目が疼いて、無意識にその数を数えてしまう、というものだ。
まだミカエラとトオルが日本に慣れていなかった昔。
二人を連れて銭湯に行った時に、風呂場の床がミニタイルだったりするともう大変だ。数え終わるまでは浴槽に入りたがらないし、入ってもそこがタイル張りだと今度は出たがらない。ついでにミカエラも隣でぼーっと数え始めるものだから、ケンは弟二人が上せないよう途中で二人の頭を小突いてやらねばならなかった。
流石にいい歳のケンはある程度その欲求をコントロールできるが、ほら数えたまえと言わんばかりに小さい細かなものが差し出されれば、そりゃあ数えたくもなる。
「
…………………………
」
目の前で稚くプルプル震えているそれも、例外ではない。
✳︎
目を閉じ、顔を少し上に向けてじっと待つ。ケンの吐息を唇に感じる。耳にそっと添えられた右手が熱くて鼓動が高鳴った。
待って、待って、待って。
(───あれ?)
いつもならば手を添えられたらすぐ、コユキの大好きなキスが唇に落ちてくる。ちゅ、ちゅと重ねて、唇を喰み、ケンの舌がノックすればそれを受け入れる。息が苦しくなるくらい触れ合って、離れてからそっと目を開けると、ケンの燃えるような紅色の目がコユキを見つめてくる。
それを早く見たいのに、一向にケンはコユキにキスをくれない。
たっぷり三十秒、目を閉じて上を向いたままのコユキは、流石に何かがおかしいことに気がついた。
(ケンさん、どうしたんだろ)
しばし逡巡し、好奇心を抑えられずにそっと目を開ける。
〝ひゃ〟
「あ」
息が止まるほど近くに、ケンの顔がある。少し伏せられた真剣な眼差しがコユキを真っ直ぐに射抜いていて、パチパチと瞬き二つ。思わずヒン、と小さく悲鳴を上げた。
少しでも身じろぎしたら唇が触れ合ってしまいそうな距離だ。ケンがここで、敢えて動きを止めている意味がわからない。
ただ、小さくも爛々と光る赤い目が美しくて、格好良くて、穴が開くほど見つめられていることに耐えられず、はやくしてよと気持ちを込めて再度ぎゅうっと目を瞑った。
「あー数え直し」
〝
…………
数え直しって何ですか〟
「アっやべ」
〝やべって何ですか〟
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