茉神 汐
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刀剣乱舞ネタ

とうらぶ/時の政府内情捏造/審神者も刀剣も出ない

①ぼくのかんがえたさいこうに薄暗い審神者適性の話

 審神者としての能力の有無を決定付けるものは、遺伝子に存在していた。ヒトゲノム解析によって、それは過去にも存在し得る染色体の突然変異がもたらすものだという研究結果は、歴史修正主義者たちとの戦いで後手に回りがちな時の政府にとって、非常に重大な結果だった。
 国民のヒトゲノムを収容可能なデータベースが存在する現代日本において、義務教育を修了する際に審神者適性検査という名の遺伝子のサンプル回収をすることなど、容易い。そこから希望者を募り、更に人となりを調査して選抜し、研修を三年間。これで漸く審神者としての一歩を踏み出す。

―― というのが、世間一般的な審神者になるまでのイメージだ。

 だが、こと審神者適性を持つ染色体の突然変異は希少だった。歴史修正主義者たちと戦う為には、刀剣男士を顕現する審神者は必須。本丸と呼ばれる亜空間もセキュリティは万全だが、破られないとも限らない。買物の可能な万屋、他本丸の部隊と戦える演習場。政府の持つ訓練施設。どこに内通者がいないとも限らないのだ。
 例えば、元から命の危機を伴う職業であれば、志願者にも多少なり覚悟があるものだろう。実際、審神者の関連機関は防衛省直轄であったし、法案を詰めていく中で自衛隊の組織に組み込むことも考えられた。確かに日本を防衛する職務なので、間違いはない。無いのだが、予算案の都合や、実態を精査していく中でどうにも折り合いがつかず、審神者関連機関はそのまま防衛省歴史修正対策組織として組み込まれた。
 その原因の一つが、審神者適性遺伝子である。例えば誰でも、希望者に研修しさえすればいいならば、軍隊でないことや自衛権の行使であることを明文化出来れば、自衛隊の派生組織として組み込めば良い。そうすれば、自衛官募集の際に、審神者部門があることを添えてしまえば良いのだから。
 その他研究機関にも、審神者適性がある人物がいる。だが、審神者関連機関は人手がギリギリだったし、研究にも審神者適性を持つ人物が必要な事がある。意思確認だって必要だったし、おいそれと送り出すのは憚られた。
 そこで、審神者関連機関の一人がある手法を思い付いた。科学技術の進歩は、倫理や細かな問題さえ除けば人間の身体を作ることが可能な域に達している時代だ。
 審神者適性遺伝子を組み込んだ人間の身体を作り出し、そこに審神者希望者の意識を繋げば良いのだと、研究者は思い付いたのだ。リアルなアバターならば、肉体が損傷を受けても新しい肉体を作れば良い。審神者適性遺伝子のない審神者希望者も受け入れられる。人員確保には魅力的な研究だ。


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審神者の能力はポッと出じゃないだろうっていうのと、ぼくのかんがえたさいこうにしんぽした未来のハイブリッド





②歴史を改変する存在を認識する、刀剣乱舞の始まり以前を妄想してみた

 時を遡ることが理論上可能であるという研究結果が発表されてから、研究者はこぞって人間を過去に向かわせる実験に手を出した。遡る年代、場所を観測する装置の開発も進んでいた。いきなり人間が遡る実験をして、その当人が実験の最中に死んでしまえば非難を浴びることは分かりきっている。だからこそ、実験用マウスや昆虫、微生物を利用した実験の為には、送り出す側の人間が制御出来なければならないのだ。遡るだけでなく、無事に戻って来るまでが実験の一連の流れであったし、過去に存在し得ないものを不用意に放って生態系を崩してはならない。だからこそ、観測する装置は必要不可欠だった。
 その装置の開発中、研究者は奇妙な違和感を覚えた。観測する年代、場所に間違いはなく、あとは試験運用からの改良を加えていくだけの段階だ。確実性の高い史料と照らし合わせて、成功を確信していた筈だった。その中に、あり得ない化物の姿が観測された。人々は気付くこともない。観測した研究者が数人の仲間にモニターを見せてみれば、その化物が見えたのは十人中二人だけ。観測者と、実家がイタコの家系だと言う女性研究員だけだった。
 そこは、函館。かつての戊辰戦争が終結する時代。この戦いの結末が違っていれば、日本の歩む道もまた変わっていただろうと言われている。
「五稜郭の戦いが始まる」
「もう少し観測してみようか」
「人々に干渉しないなら大丈夫だとは思うけど……
 観測者の言葉は、結果として裏切られた。どうやらその化物は単体で、さほど強くはなかったらしく、乱戦の中に突入した直後、政府軍らしき誰かに雑兵共々斬り捨てられ、消えた。そこに落ちたのは、折れた短刀。
「刀に憑いたか、刀の執念か……後者のように感じるけど」
「あれが弱い短刀一振りだったからまだしも、大規模の軍勢で加勢してたら歴史が変わっちまうかもな」
「未だに歴史研究家の中には、この戊辰戦争で新撰組が勝利したらどうなっていたかをシミュレートする輩もいる。そして新撰組に入れ込む人々も多い。彼らが時間を遡る術を手に入れたなら、或いはそれが起こり得る」
……人間は、時を遡るにはまだハイリスクだ。だがああいう化物、ううん、刀の執念?を送り出すなんて、学会では誰もやった記録はない」
「そもそも、多国籍の時間遡行研究学会でそんな実験公表したら、世界情勢が大荒れでしょうね」
 それは宗教的にか、国家的にか、観測者は女研究員に問おうとして止めた。まずは観測を繰り返すこと。特に歴史の大きな分岐点となった時代と場所、出来事を徹底的に。他の観測機器開発は、もう他の八人に任せたとしても問題はないのだ。あの化物に対して知的好奇心が疼くのは、研究者としての性なのかもしれない。



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いきなり歴史がガツンと変わるほどじゃなかったんでないかと思った結果がこれだよ!!




③審神者制度の国の中での位置付けを妄想してみた

「最重要国家機密として、対策本部を防衛省に設置します」
「そうして何でもかんでも機密にして、国民の知らぬ内に徴兵制を作る気だろう!」
「だいたい、歴史の改変が可能なら、総理を変えますよ」
「そんな短絡的な問題ではありませんし、そもそも徴兵制など無意味です。時間遡行研究機関で最初に確認されたのは、戊辰戦争、五稜郭の戦いです。もちろん、我が国の非常に有名な出来事ですから、皆さんも知っていて当然ですね。そこでの結果が塗り替えられるとなると、そもそも今、我々のいる場所すら存在が危ぶまれます。最悪の場合、日本国家の存在すらも」
 歴史改変対策本部の設立と、関連機関の今後の法整備についての国会審議では、歴史観測研究機関で発見された異分子と、それに纏わる情報の大部分を、ひとまず国家機密として扱うという方針を時の総理大臣が打ち出した。異分子を常人にも見えるように撮影した映像や、研究機関の観測データを例示した総理大臣は、野党の野次を聞く気はない。
 千年以上も前の歴史を改変されてしまえば、現代社会の有り様が全てなかったことにされてしまう。戊辰戦争もそうだが、歴史の彼方此方には大小様々に「この出来事が無ければ後の世界情勢すら変わっていて、全く違う歴史を辿っただろう」という出来事が存在する。それを応用しさえすれば、極論、人類誕生すらも無かったことに出来るだろう。日本国家の存亡の危機と断言するには情報が足りず、実際にどう対処すべきかも判断するにはあまりにも早い段階だ。こほんという咳の一つだけで政府指定難病だと断言するようなものである。
 今の段階でマスコミや新興宗教なんかに迂闊に漏らせば、終末論だ何だと国民の不安を煽り立てるだけ煽り立てるに違いない。それで不信感でも抱かれてしまえば、いざ明確な対処を打ち出したところで良い反応はないだろう。まずは事態を見極めるべき時だ。歴史の改変の首謀者が人間ならば、懸念は増えるのかもしれないが。




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防衛省の管轄なのかなと思ったらこうなってた




④刀剣乱舞におけるタイムパラドックスと、本丸の所在についての妄想

「だいたい、歴史を改変しようとしている連中に、そこまで知識があるとは思えないな」
「そうですよねえ。改変した場合の歴史のシミュレーションでもしていれば、そうでもないんでしょうけど」
「親殺しのタイムパラドックスなんてもんもSFの知識だが、それでも少し考えれば分かる筈だろう。時を遡って歴史を変えて、その時生きるべき人間が死ぬ。それが首謀者の先祖なら、首謀者は存在が消える。だが、そうなれば未来からやって来た手先は、そもそもの首謀者が存在しないのだからやって来ない事になり、矛盾が生じるだけなんだがな」
……或いは、オカルト的な発想をするなら、並行世界。同じような科学技術に辿り着いた並行世界が、歴史観測で我々の考える正史を垣間見たとしたら、我々の見た歴史改変の首謀者は、我々と同じ存在ということになりますね」
「確かにそれならタイムパラドックスは存在しないが、これを仮説の段階で現場の奴らに公開したとして混乱がないとは限らないな」
「検非違使という存在は、言うなれば審神者の能力を持つ当時の存在が、両者の介入を憂いた結果、でしょうかね」
「審神者の能力を持つ人間が突然現れた訳ではないからね。そうだとしたら、発見が遅れて対処ももっと後手に回っていただろうさ。日本には宿る想いを表現する人物が古来より存在していた。イタコだって、死者の想いを口にする。口寄せ……つまり審神者は、刀に宿る想いを形にして表現する。もの寄せとでも言うのかね。審神者制度を導入するにあたってのテストケースは、先祖にイタコの家系を持つ人間だったからね」
「審神者研修を恐山で、という案も出たくらいですしね。結局、顕現用の刀剣を鍛刀する式神に審神者の能力を与えることで決着がつきましたけど。良かったですよ、研修施設を一極集中させるなんて日本じゃハイリスクすぎます」
「百何十年前の大震災の教訓だね。首都は変わらず東京だけど、有事の際の副次施設は各地に点在しているし。それにしても、本丸だっけ。あれも凄い技術だね。視察で見たことがあるけど、あそこまで拡張現実が使われると圧巻だよ」
「実際、どの時間軸にも属さない亜空間なんて観測すら出来ませんし、ただでさえ生身の人間が時空を超える技術の確立もされていないというのに、亜空間に人間を送り込むなんてとても無理です」
「けど、実際にあの広さを複数確保なんてそうそう無理だし、機密もある。だからこそ、研修施設の地下は打ってつけという訳だろう。複数階層の地下にそれぞれ拠点の本丸を作り、景趣という拡張現実システム。万屋なんてのも、似たもんだろうな。そして刀剣男士、管狐、式神なんてものならば時間を遡ることができること、拡張現実や仮想現実の応用で、審神者の中の希望者は刀剣男士と共に時間を遡っているかのような感覚で作戦を伝えることができる」


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ハイテク本丸って多分こうなるんだろうなっていうのと、世界情勢すら変えかねない歴史の分岐点で戦うこともあるのに、タイムパラドックスが全く起きない保証は欠片もないよねっていう話