茉神 汐
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BSR妄想次世代 辰姫 序章

捏造BSR/BSR捏造次世代 辰姫/関ヶ原後の辰姫の話

「御師匠様、失礼致します」
 夜半、辺りには虫が秋を告げる声が響く中に佇む尼寺の一室。辰姫は師と対面していた。父を戦で亡くし、この尼寺にやって来た幼い辰姫に、仏の道だけでなく、日常の様々なことを教えてくれた師。彼女は目尻にしわを作り、柔和な笑みで辰姫の話を待った。
 辰姫は、そんな師に向き合いながら、恐る恐る口を開いた。
「父上のことを、知りたいのです」
 辰姫には実の両親の記憶がない。戦で亡くしたのか、捨てられたのか、人の消えた村の片隅で泣いていたのだとは、赤ん坊だった彼女を拾った父の話だった。辰姫という名も、その父から与えられた。
 辰姫の父の名は、石田三成。かつて凶王ともあだ名され、関ヶ原の戦いで命を落とした男だった。
「私の知る父上と、世の知る父上の隔たりを、私は受け入れなければならないのでしょうが、未熟であるが故に未だ成せません」
「故に、父を知りたいというのですね」
 師の言葉に、辰姫は頷いた。
 辰姫の記憶にある三成は、優しく、時に厳しい父だった。城で暮らしていたが、周りの誰もが優しく接してくれていた。それが世では凶王軍などと恐れられていたことを、例え事実であっても、すんなりと受け入れることは出来ない。
「ふふ、これも御仏のお導きなのでしょうね」
 師は笑った。
「あなたの父は、名の知られている方です。縁故をお探しなさい、あなたの文武を正しくお使いなさい」
「はい」
「そして必ず、帰ってくるのですよ」
「はい、御師匠様」
 合掌し、礼をすると、辰姫はその部屋を後にした。