ヒノチャン
2023-06-11 23:30:08
6657文字
Public ヒノチャン創作
 

ヒノチャンが小次郎と道満とイチャイチャするだけのお話

当たり前にキャラ崩壊しておりますので注意です。
夢小説だぞ!(ドン!)マスターヒノチャンだ。和服のヒノチャン。
バディリングを入手したので、早速小次郎と道満につけました。俺の嫁ってワケ。

「首輪なら邪魔にならないのに」
開口一番それだった。
「感謝と絆の証に首輪を?とんでもない悪趣味だね」
ダ・ヴィンチ(ロリ)は、カルデアのマスターヒノチャンを見上げる。
互いに管制室の椅子に座って向かい合っているが、ヒノチャンはかなりの巨躯だ。
その姿は、とある事情あって魔術協会等にはもちろん内密である。いずれバレることだが
人理再臨の時には、橙の髪を靡かせる可憐な少女だったといのに、いざ異星の神との戦いが始まったかと思うと「ああもう、まだ続くのこれ?じゃあもういいや、正体明かしちゃおう」と突然変化した。

「マルチバースはご存知だよね?ここじゃない宇宙の果てから安寧を求めてやってきた。ぴったしハマる魂を探して、そこで共存する計画でね。キミタチが見ていた日野なにがしの魂は、生誕とともに私ヒノチャンと見事合一した。ニンゲンの皮をかぶって、無害なニンゲンとしてに紛れ込んでいたけどまさかこんなことに巻き込まれるなんて思ってもなかったからさあ。そろそろニンゲンの限界を感じたのでもうヒノチャンが出てくることにしたよ、あっ今まで通りヒノチャンでいいからね呼び方」

「日野を乗っ取ったって?違う違う、こっちが本性だよホームズ。乗っ取ったも何も、日野のイマジナリーフレンドはヒノチャンだし、日野の別人格はヒノチャンだ。それになんなら魂の最初のコードの書き込みはヒノチャンがやってるんだよ?ヒノチャンが最初ですぅ。それに、日野の人格?コードはとっくの昔に崩壊しててね。この体には本来二つの核があったけど、壊れちゃった。キミタチは日野を見てないんだよ。それは私がなりすましていただけの日野だ。何も知らないくせによく言えたもんだね」

「どうやらキミタチは日野がヒノチャンに殺されたと思ってるみたいだけどね、ゴッフ所長?だとしたらなんで今殺して出てくるのさ?あーまぁ、そうな。体の消失は避けたいからって理由で出てくるかぁえー?じゃあなんて弁解したらいいんだよう!こっちはねぇ、小次郎と最後まで一緒に戦って、ほんでそういう大冒険大恋愛の思い出を持ち帰って余生をのんびり過ごそうと思ってたの!そしたら何!?不当な尋問!異星の神!?くりぷたー!?なーにがAチーム!はいはいどうせヒノチャンは才能のないただのクソガキですぅすみませんねえそんな平々凡々なニンゲンが、世界救っちゃったりなんかしてぇ!とっくに全滅していたAチームの人たちはそりゃあ無念でしょうね~ぴっぴろぴ~……しかも、戦いが続くしさ?そんで今生の別れをしたんだぞ!?最愛の人と!!」

最愛の人、と言ってヒノチャンが指すのはアサシン。
「いやはや。流石の拙者もこうも再開が早いと、少しばかり照れ臭いものがあるでござるな」
微笑を讃え、腕組みをして立っている。
「別れたのに再開って!どんな顔して会えばええんよ!?」
「ハハハハハ、なに。気にするな主。拙者と某の仲ではないか」
「黙りな色男!テメェもう二度と別れなんてさせねえからな!?ヒノチャンになったからには、魔術キョーカイと揉めようが世界を敵に回そうがお前をあたしの使い魔にする!決めました!」
「せ、先輩落ち着いてください、えっと先輩?でいいんですよね」
マシュだけが、皆よりも警戒を解いている。小次郎の隣で、おずおずと手を出した。ヒノチャンの手を握る。
………ええ、先輩です。先輩で間違いありません!」
「んん~~~そうだよねぇマシュ~!?死地をともに乗り越えてきただけあるねぇ!」
嫌味ったらしいな、ダ・ヴィンチ(ロリ)のヒノチャンに対する印象はそれだ。

「ところで、こんな代物をくれるということはヒノチャンはキミタチに"カルデアのマスター"だと認められたということでいいのかな?」
椅子に座ってくるくると回る。
着物の裾を割って、生足を出すことを厭わない。
ダ・ヴィンチが代わりにその脚を正した。女の子がそんな大股開いちゃダメでしょ、と叱る。
「認めるも何も。最初の検査やその後の観察で、君が悪意のある地球外生命体じゃないことは判明したんだから私は最初から疑ってないよ。変な子だなとは思ってただけど」
「個性的、というんだよロリンチちゃん!」
「個性的~?まあそういう言い方もあるか
それに。
この地球外生命体は、生存力に長けている。ある程度の戦闘もこなせるし、魔力はほとんどないもののその基本的なステータスには申し分ないくらいの"マスター"だ。
日野の姿をしている時もそうだったが、軍事経験がないのにまるで軍人の如く振る舞う。
その振る舞いが、見様見真似でなく芯から染みついたものであると考察すると、一体彼女は何者だったのだという疑問点に辿り着くが
今はそんなことを追求している場合ではないのだ。
「どっちも一応、バレンタインデーの贈り物として配布するからね。戦闘における効果もしっかり確認して、贈るべき相手を見定めること。と、言っても一つはきっと小次郎君だね。そこは良い、異論無し!」
「ありゃ、じゃあもう片方が異論有りぃ?銀色の方をあげようと思ってたのに~」
「あのねぇよりにもよってあのリン……蘆屋道満だよ?敵だったわけだけど。何をそんなに心の底から信じられるってわけぇ?本当に悪趣味だよ」
小首を傾げながら言う。ごもっともな意見だ。ダ・ヴィンチは間違っていない。
「敵だったから信用ならんというなら、始皇帝は?あの人なんか"そのまま"来てるわけだけど。双子座は?雷帝は?雪の女王は?ヒノチャンはそっちの方が信用してないけどね」
「信用してない!?そうだったの!?そんな素振り見せないくせに!」
「見せちゃダメでしょなんならヒノチャンはホームズも信用してないよ
「えぇ……
そんなことを言われてしまったら、自分もそこに当てはまるのではないかと少し不安になった。
「ああ、ロリンチちゃんは庇護対象なので」
サムズアップ。
「それって信用してるしてないの話じゃ……ああもう、話戻すけどさ。とにかく気をつけてよね、寝首をかかれるようなことは嫌だよ私は」
「道満がヒノチャンの寝首を?そんなちゃっちいことはしないでしょ!もっと派手に殺してくれるって!」
そういう問題じゃない!
ダ・ヴィンチの声が管制室に響く。
月一のモニタリングは終了した。


「かくかくしかじか、なのよね」
「ふむ。まるまるうまうまというわけか」
佐々木小次郎は、月夜に照らされている。鍛錬、と称してシュミレーターを起動しては、寂れた山奥に小屋を構え畑まで耕していた。今夜も畑仕事を済ませ、鍛錬をし、そして風呂上がりだ。
自分より背の高いヒノチャンを、小次郎は視線だけで見上げていた。
ヒノチャンは、満月を眺めている。
「でもさぁ、指にはめるのは邪魔でしょ?」
「そうだな」
「キッパリ言うじゃんだから、そういうのが得意なサーヴァントに頼んでだね首輪に加工しようと思ってるのさ」
「首輪」
「そう、首輪」
………チョーカー、というらしいが?」
「ううん?首輪だよ?」
「ははは、そうでござるか。なんとも趣味の悪い。指輪であるならば、拙者も他のサーヴァントに見せびらかしても良いと思うもの。しかし、首輪かぁ首輪となるとな。少々、奇抜というかなんというか」
「ちぇ、小次郎は嫌がると思ったよ」
唇を尖らせる。小次郎は肩を震わせて笑い声を我慢した。
「フ、拗ねるな拗ねるな。ほら、くれてやるから」
そう言って、小次郎は左手を差し出す。小指と中指を離して、薬指を強調させた。
………まっ!なんて殿方!そこにはめてもらえるのが当たり前だとでも言わんばかり!」
「ここであろう?夫婦とはいかんが、そのような間柄だ。いや、違うかそれ以上だな、某は主殿の守刀ふふ。刀を夫にしようなどと、血迷いごとを申す物好き、か。悪くない」
「夫にしようと、思ったけどね」
男の薬指に、金に光る指輪をはめた。
「生涯連れ添ってくれとプロポーズしたつもりだったけどね!サーヴァントの契約解除如きで別れられるとは思ってなかったけどね!」
「く、ははは!ははははは!すまんすまん、こうも根に持つとは思わなんだ。お前はもっと、さっぱりとしていると思っていた。と、いうか私が─」
装飾のある薬指を、小次郎は丁寧になぞった。握り拳を作ったり、手のひらを開いたりしてその具合を確かめる。ヒノチャンの言う通り、これで刀を握るは不便かもしれない。だが、それくらいは自分がやり方を変えれば良いことだ。
指輪くらいで鈍る剣ではない。
「私が、お前に愛されるなどと思ってもみなかったのだ」
─許せよ。
小次郎は目を伏せ笑う。突っ立っている隣の肩に、そのままもたれかかった。
額に、ふんわりと柔らかな感触。猫の毛のような桃色の髪が、小次郎の額に当たった。

…………こういう時はだな主殿、口付けの一つや二つするものだぞ」
「恥ずかしいからやらない」
「フッいい歳した男女が月見にもたれ掛かり合うなどと。ままごとだな」
「ままごとでちょうど良いだろ、小次郎とは」
「言いおるわ、小娘が」


「なんと、マスタぁ!ご乱心召されたか!?」
「なんだその反応、道満ならめちゃくちゃ喜んでくれると思ったのに!」
ただの世間話をしている時に、ふと思い出して懐から指輪を取り出した。話を続ける道満の手を取り、左の薬指にはめる。それを眺めていた第一声が、マスターの正気を疑うものだった。SAN値チェックです。
「愛を知らぬ獣に、愛を教えてやろうってんだよ」
「ああっおやめなされ!大層真面目な顔で拙僧の胸元を弄るのは!このような行いが正しく愛であるとは、流石の拙僧でも思いませぬ。これは"せくはら"と、言うそうですよマスタぁ」
道満はニコニコとお手本の笑顔で答えた。
「ハラスメントだと?嫌がっているのかい道満、ヒノチャンのスキンシップを?ああそうか嫌だったのならやめるよ……ごめんね
さーっとわざとらしく素早く距離を置いた。ベッドの端っこへと移動する。2メートル近くある細長い体を、縮こめてヒノチャンは重くため息をついた。
「う、うぐぐ……そ、そのようなしおらしい態度を取っても無駄でありまするぞ。あなたさまの戯れには、拙僧も呆れ返るばかりです。ンンンン!」
背中を向ける道満。腕組みをして、体をいからせる。
「指輪も嫌だったか、ならば今すぐその場で投げ捨ててくれ。ヒノチャンの、しもべへの絶対的信頼を無碍にすると言うなら!いっそ酷く当たってくれ!笑いかけるな!優しくするな!もっと憎しみの籠った目で見つめろ!捨てられた子犬子猫?子猫みたいにニャアニャアすがって来るんじゃあないよッ!」
「ええい!うるさいうるさい!良心に訴えかけおって!儂をたぶらかすのも大概に致せマスター!」
「では受け入れるか道満」
思わずびくりと肩が震える。声があまりに近かった。すぐ耳元でする。あんなに距離を置いたのに。
振り返れば、闇に包まれた躑躅ツツジ色の瞳が、こちらを見ている。まつげがこめかみに触れた。じっと、見ている。毛穴の細部まで観察されているようだ。
「と、年頃の娘がそのように!」
「年頃だいぶ昔に過ぎてるから安心しろ。ところで受け入れるのか道満?どうなんだ?私は受け入れる気満々道満なんだけども?お前だけを見つめるんだけども?私の最優魔術師陰陽師は道満なんだけども?晴明一緒にぶっ倒そうな?な?」
「お、お助けくださいませ小次郎殿!小次郎殿ー!」
「小次郎は来ないよグヘヘへへへこんなこともあろうかと、あらかじめ邪魔をするなと申しつけてある」
「ンンンンンンおのれ外道!それでも人理を救うマスターですか!?ええい英霊剣豪の時の殺伐とした見姿はどうした!あの目あの気配、あの殺意!到底同じあなたさまだとは思えぬ!拙僧は、拙僧は
言いながら、道満は不自然にマスターの気配が遠いことに気づいた。語尾が弱くなる。
ヒノチャンはベッドに寝転んでいた。
「嘘嘘、何もしないよ。バレンタインデーの時の耳舐めがそんなに影響を及ぼしてるとは思ってなかったなぁずっと怯えてるじゃん。失敗、失敗」
「耳舐めぇ!?貴様儂の耳を喰ろうたではないか!何を言っておる!」
※ヒノチャンは、バレンタインデーのお返しをもらった時に道満の耳を食いちぎりました(しかも食べた)
「ごめんね道満、お前の好きだった"マスター"はこんな変態野郎だったんだよ。残念だったね」
さっきまであんなにギャアギャア子供のようにはしゃいでいたというのに、今やまるで別人のようにおとなしい。まるでこちらが変に騒ぎ立てているかのようだ。
「ファーストコンタクトの時のヒノチャンを言ってるなら、まあ見た目が全然違うしね。ほんで、それなりにその場の空気を読みながら相応しいリアクションを取ってたし
「ンン?では、内心というか本心はどのような反応を?」
「安倍晴明って名乗った時はぴょんぴょん飛び跳ねながら"ヤッタァ~!蘆屋道満だ~!"って喜んでたさ」
「はあ?」
「地獄界曼荼羅平安京の時もそんな感じだったでしょ?」
「そ、そうでしたけども……ンンンンン、ン
道満は咳払いをする。
「マスタぁ我が、主」
そのまま寝転んだヒノチャンに覆い被さった。
「うん?」
顔の横にある、大きな手のひらに手首に頬を寄せる。髪がくすぐったい。道満は口元がむず痒くなった。唇を噛む。口角が上がるのを、おさえた。胸に込み上げてくる、このモヤモヤは何だ。今すぐにでも暴れ出したいくらいの、高揚感。
「拙僧は、別にあなたさまを嫌うておるわけではありませぬ」
「知ってる」
得意気な笑みが返ってくる。ああ、忌々しい。今すぐにでもその余裕を打ち砕いてやりたい。だが、思ったようにいかぬ。
「ただその、拙僧がやることなすことにあなたさまが予想外の反応をなさる。拙僧はあなたさまに、翻弄されてしまって苛立ちが募り、怒りをぶつけるばかり。あなたさまは愛情が、真っ直ぐすぎるのです……拙僧のような、獣には到底受け取りきれぬ」
「いいさ、そうしているといい。お前は私の愛玩動物。何も気負うことはないよ」
髪を撫でられる。そうか、その自然な手つきは本当に動物を可愛がるそれだったのだ。道満は、皮肉として受け取った。
「そんで十分素直で可愛いし。面白いくらいにね」
ヒノチャンはそのまま長い足を道満の腰に絡めた。道満はハッとする。すぐに起きあがろうとするがその前に首に両腕も絡みつくところだった。己の腕力と脚力で、男の体にしがみつく。
「ンンンンン~!離しなされ!何をしておられるのか!」
「お前が身を寄せてきたんだぞ!オラッちゅーさせろ!てゆうかする!んーむちゅちゅちゅちゅ」
「こそばい!やめぬか!ええい、振り落としますぞ!?」
「やれるもんならやってみな!マスターの部屋から出てみろ!大勢にこの姿を見られるぜ!?いいのかぁ蘆屋道満!情けない情けない!女にしがみつかれて、やめてよして離してと泣きべそかく姿を、晒すってのか!?」
「ンンンンン!背に腹は変えられぬわ!こじ、郎殿はダメでしたねどなたかぁー!?ぐだひの新撰組の方ー!マスターに襲われておりまする!お助けを!ああっ、これは良いところに斎藤殿ッ!お助けくだされ!いやなに主殿は大層丈夫でいらっしゃいますので宝具の一つや二つ撃って頂いて構いませぬ、のうマスタぁ?拙僧を離さねば斬られますぞ?」
廊下を歩いていた斎藤一は、とんでも無いことに巻き込まれてしまった。
流石に無視はできないので、やれやれと肩をすくめながらヒノチャンを宥める。
「宝具は撃たないけどさぁほら、マスターちゃん?流石に蘆屋さん迷惑してるよ。おりな?」
「令呪を持って命ずる!」
「オイ嘘だろマスターちゃん」
「邪魔立て無用!はじめちゃん手を出したらダメだよ!」

「コラー!ヒノチャン!令呪の無駄使いしないの!また変なことに使ったんでしょー!」
騒動は、令呪の消費に気づいたダ・ヴィンチちゃんのもっともらしい静止で幕を閉じた。