第104回 野村狂言座
宝生能楽堂
2023年12月15日(金)18:30
●解説 野村萬斎
前日に行ったフォロワーさんたちが、時間オーバーしてまで解説してくれたと言ってたので、うらやま〜と思いながら期待してたら、この日も15分予定のところを25分も話してくれました😆笑
2曲解説終えたところでスマホをチラリと見て「時間過ぎちゃった😝」と言いながらも、急ぐ様子もなく、マイペースに解説を続けてくれました(時間守る気ないやん🤣)
この日も、このネタ分かる人は相当歳行ってますよ的な🤣萬斎節絶好調でした👍✨
ホールで初心者向けに解説する時とは微妙に違って、少し演目の深い部分に沿ってお話してくれるのが良きでした。
*・*・*
●狂言「鬼の継子」
鬼:月崎晴夫
女:高野和憲
後見:石田幸雄
少し前に山本家(大蔵流)で拝見したことのある演目。和泉流で観るのは今回が初めて。
大蔵流とは、ちょっと設定が違うんですねぇ。
※【参考資料】鬼の継子 大蔵流本
https://ohta-masakazu.blog.jp/archives/21749679.html
大蔵流だとアドの女性は「この辺りの者」であり、実家の様子を見舞うための帰省途中で鬼と遭遇してしまう。そして、自分と我が子の命を助けてもらう代わりに、鬼の求婚を受け入れるのである(結局、我が子が食われそうになるので逃げるがw)
それに対して和泉流は、他の演目にも出てくる盗っ人「藤吾三郎」の妻であり、未亡人になったために帰省するという設定である。その夫が地獄に堕ちて責め苦を受けていると鬼から聞いた妻は、夫を極楽に送ってもらうために、鬼からの求婚を受け入れる、というちょっと深い話になっていた。
また途中のやり取りも、大蔵流では、鬼が子供をあやす→食べようとする→母親が阻止する、を何度も繰り返すのに対して、和泉流は、鬼が子供を食べようとするのは最後のオチにとってある。
ということで、流派によって、ここまで描き方に違いがあると、見比べ甲斐があるというものよ。なかなか興味深く拝見させて頂きました。
てかね、大蔵流のを観た時に、妻が大事な我が子を鬼に簡単に預けちゃう行為に違和感を感じたのよ。んで、その違和感の答えとして山本東次郎先生はこう言いました。現代だとシングルマザーが再婚したりして、いわゆる継父に子供が虐待されちゃう事件あるでしょ、それと同じなんだと(キャー!😱💦オソロシヤ〜)
ということで、この曲は結構恐ろしいイメージがあったんですが(苦笑)、和泉流では鬼の可愛さが強調され、ストーリーもキレイにまとまってる印象がありました。
萬斎さんはこの曲が好きで、ラストのシュールさがお気に入りで何度も演ってるそうです。
ならば、萬斎さんバージョンでも是非一度観てみたいですね😆
*・*・*
●狂言「磁石」
すっぱ:中村修一
田舎者:飯田豪
宿屋:深田博治
後見:宇貫貴雄
これは過去に2回くらい観たかな。
万作さんのすっぱも観たし、裕基くんのマグネットマン(笑)も観たし、萬斎さんに関してはシテもアドも両方観たことがある😆✨
今回は若手による「磁石」ということで、新鮮な気持ちで拝見しました。中村さんのすっぱも意外と似合ってたなァ😆(←すっぱ似合いますねって、褒め言葉になってるのかは分かりませんが😅)
飯田さんのマグネットマンが、
凄い迫力あってめっちゃ笑いました🤣🤣🤣
カービィ並の吸引力ありそう🤣🤣🤣
この田舎者は、すっぱを撃退出来るくらい賢い人物なんですよね。そういう部分も含めてハマり役だったんじゃないかな、と思いました👍✨
*・*・*
●狂言「縄綯」
太郎冠者:石田幸雄
主:野村裕基
何某:野村萬斎
後見:月崎晴夫
初見の演目でした。
志村後ろ、後ろ!状態がめっちゃ面白かった🤣
太郎冠者以外は名前が付いてないので、
「萬斎殿」と言われる度に見所が沸くのも面白かったです😂
(多分3回くらい呼ばれてたw)
シテは、先日のソロ公演も記憶に新しい幸雄さんで、これは納得の配役でした。後半の何某家族の悪口(苦笑)を独演で語る話術はとにかく圧巻で、言ってることは悪口なのに引き込まれてしまいました(笑)
他にも、ヘソは曲げるわ、言うことは聞かないわで(笑)、下人としての悲壮感は全く感じさせない、どこまでも明るい太郎冠者を魅力的に演じており、改めて幸雄さんの凄さを実感したのでした✨
あ、あと、脇正面から観てたんですけど、萬斎さんが太郎冠者から縄を奪って投げ捨てるところで、その縄が絵に描いたようなキレイな形で飛んだので、萬斎さんはこんなところの所作まで美しいのかと、見惚れてしまいました(笑)
*・*・*
●素囃子「羯鼓」
笛:松田弘之
小鼓:飯田清一
大鼓:安福光雄
安福さんのスコーンと気持ちの良い大鼓に、どこか柔軟性のある、飯田さんの小鼓と松田さんの笛の音が綺麗に乗って良きでした。
狂言が始まると小鼓と大鼓は横に向きあって、音を奏でますけど、この状態だと、後ろの壁から跳ね返った小鼓の音が脇正面によく届くのが分かり、音が飛ぶ方向というものを改めて実感したのでした。
*・*・*
●狂言「通円」
通円:野村万作
東国の僧:内藤連
所の者:野村太一郎
地謡:中村修一、高野和憲、野村萬斎、野村裕基、飯田豪
後見:深田博治
小舞でしか観たことがないので、
本狂言としては初見でした。
能「頼政」のパロディーということで、通常はシテ・アドと呼ぶところを、この演目ではシテ、ワキ、アイという表記になるんですね。お能と全く同じ進行で進むので、狂言なのにお能を観てるような不思議な感覚になりました。
でも題材が「戦」ではなく「お茶」ということで、パロディーというのはガチでやってこそ面白いものですから、真面目にやればやるほど、狂言としての滑稽さが出てきて面白くなるのでしょう。
萬斎さんが解説ではラーメン屋に例えてましたけど、その流れで万作さんの舞を観てたら、頑固親父のラーメン屋が思い浮かんできました😅妥協は一切許さない、みたいな(これだとお客にも厳しそうねw)😅
万作さんは頼政に寄せてるけど、萬斎さん自身が演じるときは、通円本人に寄せてるんだそうです。
萬斎さんの通円の小舞を国立劇場で初めて観た時に、こんな活き活きとした通円の小舞は他に観たことがなかったので、その話を聞いた時に凄い納得しましたよね。これで過労死しても本望だ、みたいな気持ちが凄い出てたので。
それを来週は国立能楽堂で、
フルバージョンで見れるわけですから凄い楽しみです。
面の好みも万作さんとは違うらしいので、その辺も含めて、色々と見比べてみたいと思います😊
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