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あけみ
2023-01-09 17:17:47
826文字
Public
SPN(小説)
【SPN】ジミー・ノヴァックと死神ディーンの話
天使になった男は死神に恋をする
交通事故だった。男は、車の運転席から転げ落ちると、俺を見上げた。ブルネットに青い瞳。まだ年若く人生これから結婚して父親にもなれるはずだった。大きく目を丸めこちらを見つめる男に、俺は、言い慣れた言葉を放った。
「お前は死んだ。これから行く場所まで俺が案内する」
天国行きか地獄行きかを定める裁判官の前までの道のりを案内する。魂を地上に残さず送り届けることが俺の仕事だ。
さて、目の前の男だが、どうも様子が可笑しい。自分が死んだことを理解できず取り乱しているふうでもない。やけに落ち着いていて、俺のことをジッと見つめるのだ。そうして、やっと口を開いたと思ったら、
「君は
……
天使か?」
などとふざけたことを言う。
「違う違う、俺は死神!」
「驚いた。あまりにも美しいから天使かと思った」
何を言っているんだコイツ。先程の俺の言葉を聞いているのかないのか、また不可思議なことを言い出した。
「死神ということは
……
死んだ私はずっと君と一緒にいられるってことか?」
なんでそうなる。思考回路可笑しいんじゃねぇのか? 俺は、そうじゃないと何度も説明したが、男はずっと俺を口説いてくる。しまいには、
「私が天使になれば君と共にいられるか?」
などと言い出したから呆れ果てた。
ナンパは慣れているが、ここまで食い気味に迫られるのは引いてしまう。腰が引けた俺に構わず、男はパーソナルスペースに入り込む。
「そもそも、天使はそう簡単になれるものじゃない」
死んだ人間がなれるようなものではない。そのはずだったが。
数日後、死んだジミー・ノヴァックが天使カスティエルの名を神から貰ったと話題になった。全く、どうなってやがる。まだ若い神ジャックは世間知らずにもほどがある。そして、優しすぎる。
思いため息をついた俺の隣にはカスティエルがピッタリとそばにつく。
天使を連れて仕事する死神なんて聞いたことない。
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