お互い頑固なところがあるのは認める。カスティエルは一言も口を利かないわざと無視するディーンを見やって、苛立ちを覚えた。喧嘩の理由は些細なことだ。カスティエルもディーンも非を認めず平行線。車内に漂う重苦しい空気は同席しているサムもまた居心地が悪そうだった。
今は喧嘩のことより狩りだった。カスティエルは押し黙り、車が現場に到着すると共に降りる。ディーンは、カスティエルにできるだけ視線を向けずに被害者の家族に事情を聞き取る中、10歳くらいの子どもが怖がって母親の後ろに隠れていた。カスティエルは目を細め、首を傾げたが余計に怖がらせたようだった。幽霊を見たのはその子だったので、事情を聞くのは諦めようとしたが、ディーンは膝をついて優しく声をかける。
その姿勢に気付かされる。ふと見せる、彼の優しい眼差しにカスティエルはディーンの愛しさを思い出し実感した。彼自身も経験したことから相手を思いやり、慈しむ魂は、惹かれた一番の理由であることを。
話しているうちに、子どもはすっかり落ち着き、ディーンに詳しい状況を話し始めた。
到底、嫌いになれない。
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