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sugu_yoru
2020-10-09 19:18:02
1924文字
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【香るキムチ】甘いものあげない【キムチまん】
2011年5月にpixivに掲載していたものです。国名表記注意ください。
「まっこりが世界一過ぎるんだぜー」
肩に置かれた手のひらを凝視する。指の先まで見事に真っ赤だった。
「おいおい、どうしたこうした」
どこもかしこも赤い的な。でも持っている液体は白い。韓国はべろべろに酔っぱらっている。
「うー
……
まぁお兄さんに非はないとは言わないんだけどね」
少しだけ申し訳なさそうにへらへらと笑いながら、横で男が髭を撫でた。香港は横に立つ会議の主催者、フランスをギロリと睨めつける。
「
……
何でマッコリなんかヨーロッパにあるんだ」
しかも殺菌していない物なんてどうやって用意したんだか
……
。確かにマッコリは熱処理殺菌していないほうが断然美味しい。
「凄いでしょ、ていうか出席した皆のところのお酒を一本ずつ用意したんだよ。頑張った、お兄さん実に頑張った!」
「韓国のテンションが上がっちまったじゃないですか」
「下がってた試しがないんだぜ! 舐めるな香!!」
「はぃはぃ、いーざーう」
「お兄さんたまに香君が言ってること、分からないんだよね~。育て方の問題かな?」
「おい、聞こえてるぞ髭」
「お前が反応する権利はない『あへん』、香を育てたのは我ある」
「おや、それは私も僭越ながら参加させていただいても宜しいですか?」
「それはぁ、俺がぁ、断るんだぜー」
次々と申し出る保護者に、韓国が割って入る。きゃふふふふ、っと香港にしだれかかってくる茹でだこは上機嫌で、ふと目を逸らして前方を向くと、遠くからノッシノッシとやって来るアメリカが見えた。香港はわずかに彼を警戒して、韓国を自分の方へ引き寄せた。
「何だい、楽しそうだね」
「おめーが来るとややこしくなるある、あっち行け美國」
「だってこないだはイギリスで開催だったじゃない? 会議」
言い訳をするように、フランスが指をぐねぐねする。
「お兄さんは自分のお弁当でとっても満足だったけど、皆が可哀想で
……
」
「コラ、聞き捨てならねぇぞ」
イギリスが顔面を凶悪にしてフランスに詰め寄る。
「あ~怖い、これだから元ヤンは」
「御託はいいから、とととあそこのマンセーどうにかするよろし」
間に割って入ったのは中国だった。韓国はもう兎のように跳ねながら、自分たちの輪を抜け出してカナダに飛びついている。可哀想なカナダの手元からホットケーキ(シロップいっぱい)が落下して、それを見てアメリカが大爆笑した。
「え? いいの? お兄さんがどうにかしちゃってもいいの?」
「ちょっと、それは駄目です」
「あれは、俺のなので」。その言葉は飲み込んで、不意に今まで皆の間でだるそうにしゃがみ込んでいた香港は、むくりと立ち上がった。
「いや
……
、俺が早めに部屋に連れて行きますよ」
「あ、やだ、ちょっとナニアレどうしよう可愛い!」
人の話を全く聞かないで、『キュン』という効果音を振りまくフランスは、デザートビュッフェのコーナーに小走りで飛び出して行った。見ると、カナダにせがんで韓国がジェラードを食べさせてもらっている。
カナダはいつも抱えている熊が邪魔で、上手に口に運べずに韓国の鼻に当たった。韓国は怒りもせず、赤らんだ顔でふふふと肩を揺らしている。流石の香港にも周りにお花が浮いて見えた。
「これを撮らなかったら男が廃りますね」
「そ、そうなのか?」
日本がデジカメを構えて競歩で駆けて行くのに、釣られてイギリスまでそちらに向かって行く。残されたのはアメリカと中国と香港だ。
「っち、仕方ねぇあるな」
忌々しそうに中国が綺麗な顔を歪める。
「おめぇ、また部屋を変わるあるか?」
「は?」
思わず怪訝な顔をしてしまった。すると兄貴分は急に優しく聡すようにもう一度告げたのだ。
「こないだも『あへん』のせいで部屋変わたある、韓国の扱いなら慣れてるあるし、我が面倒見てやってもいいある」
そうだ、イギリスがアメリカと喧嘩して、中国と日本の部屋に転がり込んで来たことがあった。その時香港はイギリスの元へ行き、中国が韓国のところへ、日本はアメリカをなだめに行ったのだ。次の日凄く後悔した気持ちが、急に蘇って来た。
「There is no problem.」
思いもかけず、はっきりと口について出た。
「
……
あ、そうあるか」
瞬間とんでもなく冷たい顔をして、中国はさっさと騒ぎの真ん中へと歩んで行った。その後ろ姿を見送って、アメリカはヒューゥ、と口笛を吹いた。
「君ってば、やるじゃないか!」
「いや、全然やってねぇっス。ほら見て鳥肌」
だぼついた袖を香港が捲りあげると、「何だい君、チキンみたいなんだぞ」と言ってアメリカは豪快に笑い続けた。
<おしまい>
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