狂言師『石田幸雄』のソロ活動 vol.1
銕仙会能楽研修所
2023.12.1(金)19:30開演
『万作の会』の重鎮、石田幸雄さんによるソロ公演。
3days公演の2日目が夜公演だったので、仕事帰りに行ってきました。
丁度、開場した時に着いたのですが、息子の淡朗さんがスーツ姿で自ら受付をなさってました。まさか、淡朗さんに切符切ってもらう日が来るとは
…😂
銕仙会能楽研修所に行くのは初めてだったのですが、外観はコンクリート製の建物で、内装や見所(座敷)はシンプルかつとてもキレイな能楽堂でした。
逆に能舞台は年季が入っており、雰囲気はバッチリ。
なかなか行く機械が無いのですが、たまには、こういう小さな能楽堂も個性あって良きです。
自由席だったのですが、正面席は何となく距離感近くて恥ずかしいので(え?w)いつもの脇正面から鑑賞しました(ちなみに途中で気付いたのですが、深田さんも観に来てました🤭)。
*・*・*
『神っち』
幼少期から落語が好きだったという幸雄さんが、自ら描き下ろした小噺。財布を拾った八五郎は、酔った勢いで誤ってその財布の中身を使ってしまう。そこへ突然現れた狂言調の謎のキャラクター“神っち”と共に、持ち主の下へ財布を返しに行くのだが
…というお話。
落語は、たまにテレビで流れてるのを何となく見たことがある程度なので、落語としての出来栄えは採点出来ないけど、落語✕狂言といった感じで、新しいものを見せてもらったというか、聞かせてもらったって感じ。話芸として、なかなか相性が良さげなので、こういうのもっと流行ったら面白いかも。
てか、狂言調のキャラクターってだけでキャラ立ちするんだな、と気付かされた。どうりで芸人たちが真似するわけだ。
ただの自己紹介なのに現代劇に放り込んだ時の「この辺りの者でござる」のインパクトの強さ。観客も狂言に関しては熟知されてる方ばかりだと思うので、狂言調のキャラクターが出てくる度に笑いが起きるのよね(笑)
『穴澤万里子✕石田淡朗による対談』
次の『クラリモンド』の解説のために、フランス文学と西洋演劇について明治学院大学教授の穴澤万里子氏をお呼びする予定が、この日はどうしても外せない用があるとのことで、なんとZoomでのご参加に(笑)
淡朗さん
「能舞台に初めてiPadを持ち込んだのは、野村萬斎先生とお聞きしておりますが、流石にZoomまでは使ってなかったと思うので、能舞台でZoomで対談するのは初の試みではないかと
…」
😂😂😂
『クラリモンド』
テオフィル・ゴーティエによる怪奇的恋愛小説『死霊の恋』に惚れ込み、翻訳したという芥川龍之介。
そして、その翻訳作品を読み、文体の美しさに衝撃を受けた石田幸雄師は、芥川龍之介の書いた訳文はそのままに一人芝居に挑む。
その訳文は青空文庫で読めるので、ササッと予習はしたのだが、幸雄さんがこれまで培ってきた狂言の話術と身体表現だけで、その世界観をまるで召喚するかのように立体的に再現したのは凄かった。一人では広く感じる能舞台も、小道具一切無しの体一つで空間を埋めていた。圧巻だった。
幸雄さんの凄さを再確認するとともに、以前、萬斎さんが狂言は比率的には動きよりも話芸の方が高いと言っていたのを思い出した。確かに袴狂言でも話術が上手ければ、型の力もプラスされて充分想像力が働いて楽しめるのよね。今回もそんな感じだった。
*・*・*
今回はベテラン狂言師による「狂言ではなく、狂言っぽいもの」を観たわけだが、ちょっと角度を変える事で、狂言の話術の重要性に気付いたし、狂言の新たな可能性も感じたし、なんか狂言に対する世界が広がった感じがしました。
淡朗さんによると、このソロ活動はライフワークとして、今後も続けていきたいし、地方公演もしたいと意欲を見せてるそうなので、皆様も、もし興味があったら、機会が巡って来たときには、是非この石田幸雄ワールドに触れてみて欲しいと思います。
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