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スサ
2023-12-06 22:30:48
562文字
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【ヴィク勇】殻を破る
ワンドロの時にやりたかったけど書きかけてとても終わらなかった話なのですが、これを膨らませたい気持ちがあり…。
“殻を破った”
ヴィクトルをコーチに迎えたシーズン、勇利の演技をそう表現する媒体は多かった。似たような表現として、一皮むけた、など。
「そうなんですか」
ゆで卵の殻をむきながら、当の勇利は興味なさそうな相槌を打つ。
「勝生くうん!」
僕の話聞いてるのかい、と相変わらず諸岡はあつ(苦し)い。
「いえ
…
、聞いてはいますけど。そう言われても
…
というか
…
」
感情の読めない顔で勇利は淡々と答える。少なくとも諸岡にはそう見えた。勇利はきれいに殻をむいたゆで卵に塩をふりかけ、口に運ぶ。
諸岡はその時、朝食会場に取材に訪れていた。反応があっさりしているのは朝だからかもしれない。追い返されないだけ良いのかもしれない。
「ゆ
…
、」
「ゆうり〜!」
諸岡の熱意ある声をかき消したのは、声だけで誰もが振り返る生ける伝説たる男の、その弟子を呼ぶ響きだった。
「Good morning! Moroka-san !」
ヴィクトルは勇利のそばに立つ諸岡にも明るい笑みを向け挨拶をくれた。諸岡は正直暑苦しい男ではあるが、勝生勇利をかなり正当に評価し、応援してくれている人物だ。少なくともヴィクトルの中ではそのように認識されており、そんなわけで、諸岡としては破格の待遇と感じるくらい、ヴィクトルは諸岡に対しフレンドリーであった。
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