おみこ
2023-12-06 17:42:45
Public ソロTRPGログ
 

短い夜の話ログ(2023/12/04)

かりかりうめ様発行「モノローグ・ダイアログ」掲載のソロジャーナル「短い夜の話」のログです タイトルの日付は遊んだ日

短い夜の話A Tale:Dance of Desire

システム制作:かりかりうめ様
https://www.karikariume.com/

▼第一章:請願者
カード1:教皇/カード2:悪魔
・あなたはどの様な人物なのか?
 とある神を信仰する土地、そこにある家に生まれ、親がそうであったように自分もまた自然にその神を信仰するようになった。親は狂信と呼べるほど熱心であったが、彼はさほどでもなかったようだ。それでも、信仰心があることにはかわりなかった。
 子供時代が過ぎ、大人となった彼は短い旅をした。その旅の過程で、彼は知る。この国において自分たちの信仰する神は異端であり、自分たちはこの国の人間から異教徒と呼ばれる存在なのだということを。

▼第二章:追憶
カード1:力/カード2:吊し人
・あなたの暮らしはどんなものだったろうか?(幸せがあったか、そうでもなかったのか)
 神を信仰する土地、それはこの王国全体なのだと親は言っていた。自分たちはそこを転々とすることで神の言葉を拾っていくのだと。生活のそばにはいつも動物たちがいた。彼らがもたらす恵みは、すなわち神の恵みだった。自分たちがこうして生活していることを、外の人間は『遊牧』と称したと知ったのはあの短い旅のことであった。
 幸せであった、と思う。いつも家にも人々にも笑顔が溢れていたし、神の声を追うための大移動も日常の中の非日常と思えて楽しかった。親が読み聞かせてくれた本は、いつしか自分が弟妹に読み聞かせるようになっていた。自分たちの生活には、自分たちが信仰する神の存在が根付いていた。確かに、そばにいるのだ。
 そんな、自分たちの幸せを、外の人間は憐れむのだろうか。

・どのように危機が降りかかったのか、それは何に(誰に)引き起こされたのか?
 年に一度、神の子と呼ばれる聖職者が神の予言を受け取って信仰者に伝えるという儀式がある。今年も何事もなく儀式は終わるのだろう、と思っていた。
 だが、その予想は外れた。悪い意味で、だ。神の子が青ざめて伝えた予言は、「世界は終わる。破滅を迎える。何人も抗うことはできない」というものだった。人々はみな、それを「なにかの間違いだ」「神も嘘をつくのか」などと言う。自分もそうだった。何かの間違いで、神がたちの悪い冗談を言っているのだと。
 この翌日、この王国の平原――自分たちが主に放浪する土地に、大きな亀裂が入ったという知らせが入った。その翌日、王国にある外の町の何処かが亀裂で滅んだと聞いた。そして、その翌日――
 滅びの予言は、正しかった。 

▼第三章:夢の丘へ
カード1:女帝/カード2:運命の輪
・あなたが失った、あるいは失うであろうものとは何か?
 滅びの予言が現実へとなっていくにつれ、彼や彼と信仰を同じくする者たちは生活のための旅することを許されなくなった。旅する土地がなくては、自分たちは生きることができない。環境による負荷のかかった動物たちは、一匹ずつ死んでいった。人々も弱いものから倒れていった。それでも、ゆっくり留まって負荷や疲労を癒すことはできない。予言によって生きるための土地が奪われてしまったからだ。

・あなたはなぜ、〈請願者〉となったのか?
 そんな中、彼は外の人間からとある書物を譲り受ける。その人間は、住んでいた町が亀裂に襲われたが奇跡的に逃げ延びられたのだという。持ち出せたのは書物一つだったらしいが。その人間は生き残りを探して旅に出ると言った。その際にその人間は彼に物々交換を申し出た。本と引き換えにランタンが欲しいのだという。
 彼はその申し出を受け入れた。家族の遺したランタンがあったからだ。そうして交換した本を、彼は読む。そしてその中の一節で、彼は天啓を得る。
 そうだ、魔王に会えば良いのだと。

▼第四章:魔王
「背景」のカード:愚者
 取り替え子、というものがある。彼の者の出自はまさにそれだった。取り替えられた妖精の子。人とは違う容姿から、彼の者は常に恐れられてきた。彼の者の精神は人とは違うものであったため、彼の者が傷つくことはなかった。それは幸いと言えただろうか。妖精が迎えにくることもなく、彼の者は人が生きる世にて成人を迎えた。

「栄光」のカード:戦車
 さて、それはそれとして彼の者が生きていた国は戦禍のさなかにあった。戦っている相手が何なのか、知るものはいなかった。国の中心にいるものしか知らなかったのだろう。民の間では「人間同士の争いではないのだろう」といううわさが飛び交っていた。彼の者も、そのうわさをしっかりと聞いていたことだろう。
 さて、そんな情勢の中、彼の者は魔に通じる学問を修めようとしていた。もしかしたらこの学問は状況打破に役立つのでは、と思う若者たちもこぞってその学問を修めようとしていた。彼の者はその中でも抜きん出て優秀であった。ギフトを受け取った妖精の子であることもあるのだろうか。彼の者は階段を一段一段しっかりと登っていくように、実力と実績を積み重ねていった。

「転落」のカード:死神
 妖精は不老ではあるが不死ではない。人の世で生きてきていた子ならなおさらだ。
 彼の者が生きる町に、疫病がはやる。それは不治の病と呼ばれるものでもあった。
 人々と同様に、彼の者もそれにかかってしまう。現代の医学ではどうしようもない。様々な民間療法を試してみるが効果はまるでない。死に対して恐れはなかったが、自分が築きあげたものが無に帰してしまうことは恐ろしかった。この魔の知識をなにかに使えたら、なにかに活かせたら。何か残すことができたら。彼の者はそのことだけを考えるようになっていった。

「啓示」のカード:塔
 そして、彼の者は見出される。すでにこの国では進行されていない神に。
 「その魔の知識をもとに、自らを作り変えれば良い。そうすれば死ななくなる。そうすれば知識を残すことができる。そうすればその力をお前が思うように使うことができる」彼の者はそう、言葉を聞いた。それはまるで稲妻の如き衝撃であったことだろう。

▼終章:夜明け前
・あなたの捧げ物は何だったか?
カード:月
 自らの正気、信仰心。彼を構成する精神性そのものだ。それは死と同義であると彼は知っている。知っているからこそ、それが捧げ物――対価として最もふさわしいだろうとも思っている。魔王がこれを受け取るかどうかはわからない。だから、これは賭けでもあった。

・あなたは〈魔王〉に何を願ったのか、あるいは、願わなかったのか?
カード:世界
 世界の滅びの予言をひっくり返して欲しい。彼は魔王にそう願った。
 "頷く"魔王の姿を最後に、彼の世界は反転した。